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ヒレンジャク - Japanese Waxwing - Bombycilla japonica

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今年の冬の鳥相は、気温に相反してお寒いとしか言いようのない惨状だったが、それでもよいこともあった。ずっとタイミングを外されていたヒレンジャクの群れと濃厚接触、いや近接遭遇できたのだ。

だいたい、12月の終わりくらいから二月にかけて、特に一番寒い一月後半から二月前半に、小屋の辺りにふらりとやって来るのは分かっているのだが、小群をなして気まぐれに行動するので、遭遇は運に左右される。つまりその頃小屋にいれば、おおよそ Right Place かつ Right Time なのだけど、それでも見られる年は見られるが、ツキのないない年は全く見られない。

一昨年の冬は、十二月の末、友人が遊びに来て、昼過ぎ、皆で散歩に行こうかという時に、体調不良と言って同行を見送ったら、川の奥のヤドリギのたくさんついた大きな木にヒレンジャクの群れがいたよ!逃げないの!と報告を受けてがっくりした。そこで昨シーズンは気持ちを改めて、冬場、ヤドリギスポットを中心に丹念に丹念に観察を続けたが、とうとう見ることはかなわなかった。しかも、春になってもヤドリギの実はついたまま。つまり、来なかったのだと思う。

今年は年末にヤドリギの実のつき方を確認して、正月に首都圏に帰り、小正月の頃に戻ってみると、ヤドリギの実がぜんぶ無くなっていたのだった。今年もだめかぁ、と諦め、ひと月ほど経った二月中旬。川沿いの道を歩いていると、頭上で何やらチリチリと啼く声がする。マヒワ?とか思って見上げると、レモンイエローのふっくらとした体がすぐそこにいくつもあったので驚いた。撮影しても、まんまるの腹のまま、面倒くさいなあ、という顔をして逃げない。五年前、小屋の前の林の奥に来た時遠くから見て以来。心の中でヤッホーと連呼しつつ、エレガントで、独特の雰囲気がある姿を堪能した。

いまこれを書く前に Wikipedia を確認したら、冬季は果実類、ネズミモチ、イボタノキ、ニシキギ、ヤドリギ、ノイバラ、ヤツデなどを食すとあった。確かに長野のあちこちでリンゴを食うと言う話を聞いたことがある。果実らしい果実はないが、イボタノキ、ニシキギ、ヤドリギ、ノイバラは近隣に生えている。来シーズンからはそれにも注意してみよう。

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3/7 追記。幸運なことに、また遭遇した。というか、まだいたのでびっくりした。しかも近かった。ということで一枚追加。こいつら逃げないな。

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一回目<- いまここ
二回目は
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三回目は
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[写真撮影:2020/02 - 長野県 - 体長約18cm - 個人的博物館本館のレンジャクのページへ]
[photo data : 02/2020 - Nagano, Japan - about 18cm - Bombycillidae - visit the main museum ("Waxwings")]

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