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ホシガラス - Spotted Nutcracker - Nucifraga caryocatactes

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山に登り、疲労によたよたと下っていくと、森の中、茂みの下、左手のすぐ上のところを、さぁっと大きな鳥が滑空していった。


よく見ると群れだ。数羽いる。ああきっとカケスだなあ、登りでも啼いていたなあ、とか思って見ていると、どうも様子が違う。カケスなら隠れるところで、こいつらは隠れない。撮ってみてみると、ホシガラスだった。今までの印象から、もう少し開けた場所の鳥かと思っていたが、こういうところにもいるのだと知れた。

逃げないと言っても距離が近いわけでもないので、適当な出来栄えの写真であきらめるか、と立ったまま見ていると、興味をそそられたらしく、一羽が、すぐ近くまでやってきて止まった。すぐ目の先の梢で、右を向き、左を向き、そしてこちらを向いてまじまじと僕を見る。ほかに用事もないようだから、僕に興味があるようだ。とくに緊張しているような様子も窺えない。高山の鳥は人見知りしないからありがたい。

やがて、近くでこそこそ音がするから目をやると、ホシガラスの態度に安心したのか、つましい生活の、幸福そうなリスの夫婦が、なにやらおどけ、ふざけながら出てきて、トウヒの実を齧った。こちらも、写しても逃げない。じっと僕を見るのみ。

登山の疲れで身体はヨボヨボだったが、一羽と二匹に、山の幸福を少しずつ分けてもらった。

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雲南の山でも飛んでいた。開けたところで飛んでいた。

[写真撮影: 2016/09 - 長野県- 約35cm - 個人的博物館本館のカラスカケス・カササギのなかまのページへ]
[photo data : 09/2016 - Nagano, Japan - about 35cm - visit "
Crows" (main museum site)]
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