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[這いずり日記] 栄光の復帰によせて〜長野方面2016/秋その3

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一週間東京に滞在するのは半年ぶり。所用を片づけ、山に戻る。九月に入ると、明け方の最低気温も12Cまで下がり、花もばたばたと慌ただしく店を畳んでいるのが実感として伝わってくる。夜寒いし。

とは言え、間もなく、久しぶりに海外に観察に行くことになり、そこで体力が必要なのだ、それも登りの。水平方向の移動なら何とかなると思うが、垂直方向となると筋肉は長い間休眠状態にあって、これはかなり心配。少し前から、近所の山に登っ(てに会っ)たりして地道に運動はしてきたが、今回は覚悟を決めて、小屋の周りでの観察や雑事は最小限にとどめ、裏の山に登ることにした。

朝八時前に登り始めて、あとはひたすらの登り坂。おばさんやおじさんは先に行ってもらって、じっくり歩いて行く。標高差はだいたい1000mとちょっとだ。こんなに登るのは何年、いや何十年ぶりだろう、とか考えながら(たぶん20年ぶりだ)上がっていくと、テンが出てきた。ぼーっとして見ていると、一匹でぴょんぴょん跳ねている。子ギツネといい、イタチといい、こいつらはいつも楽しそうでいい。見習いたいものだ。

端折ると、ともあれまぁ昼前には山頂にたどり着いた。イワヒバリ、
キクイタダキ、キベリタテハ、キアゲハなどがお出迎え。あと多分ベニヒカゲ。台風一過だというのにガスっていて、展望はいまひとつだったが、しばらく呆然と座っていると、幕が開くように、一瞬だけ、かつて登った周辺の山が挨拶するように姿を現した。しかし、遠くの連中は出てこなかった。

足が痛かったり、息が切れたり、登りはまぁ想定内だったが、びっくりしたのは下りで踏ん張りが効かないことだった。太ももの前側の筋肉がいっぱいらしい(笑)。そうか、お前もトレーニングしないといけなかったなあ、とか思う間もなく、ぬかるみと礫岩でずりずりと転びそうになって参る。そういえば親父も下りが遅かったが、それはこういう事情か、と合点がいったり。

あとは、よたよた、ひょこひょこ、時間をかけながら、麓まで戻った。40年前の山岳部員による、登山への栄光の復帰を、道中、輝かんばかりにうつくしい
ホシガラスの一群と、つましい暮らしのリスの夫婦が祝ってくれた。

本番の標高差は1500m。さぁ大丈夫かな。

絶賛開花中というか店じまい中というか(△新、▼間もなく終了):シロツメクサ、アカツメクサ、ヒメジョオン、マツヨイグサ、▼キンミズヒキ、▼ヤマホタルブクロ、▼ゲンノショウコ、クサノオウ、ヤブジラミ、オトコエシ、イタドリ、ベニイタドリ、クサフジ、▼コバギボウシ、キツリフネ、ツリフネソウ、ヤマハギ、ママコナ、オオバコ、イヌゴマ、ツユクサ、▼アラゲハンゴンソウ、チョウセンヨメナ、▼イヌトウバナ、ヌスビトハギ、キオン、カントウヨメナ、シシウド、▼フシグロセンノウ、▼カタバミ、ヌスビトハギ、フヨウ、▼ヤブマメ、タイアザミ、ミズヒキ、ギンミズヒキ、ナンテンハギ、ママコノシリヌグイ、コウゾリナ、オタカラコウ、△ハンゴンソウ、ヤマトリカブト、ススキ、△サラシナショウマ、この他に未同定ノギク、未同定アザミほかいろいろ。

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里は収穫の秋
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[写真撮影 : 2016/09 - 長野県] [photo data : 09/2016 - Nagano]
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