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クロアシアホウドリ - Black-footed Albatross - Phoebastria nigripes

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鬱屈と言うほどではないにせよ、コロナでしばらく旅して遊ぶこと能わず、気分転換も兼ねてぱーっと明るい場所に行きたくなって、ひとり伊豆に出かけたということを書いた

伊豆と言っても人が多いのは嫌だし、適度に寂れていて、放っていてくれるのがいい。できれば鳥なんかも出て、新しいカメラのAFのテストもできるといいし。そうだ久しぶりに船も乗りたいな、などという一連のテキトーな考えから、神新汽船の伊豆諸島周遊に決めたのだ。

当日朝、陸上職員の皆さんが大きく手を振り見送る(←ちょっと嬉しい)下田港を出港すると、念入りに予報をチェックした甲斐あって、晴れて波はなし。如才なく1等船室も押さえたから、眺めの良い上甲板はほぼ独占状態で、ずっと歌いながらシャッターを切れば、ザトウクジラまで間近に顔を出す。これぞ上首尾。気分は最高。

撮れた写真の九割はオオミズナギドリだったが、それでも撮りながら、ああこれは違うな、というのも出る。最後にアホウドリを見てからもうずいぶんになるし、印象ではもっと大きな鳥だったような気もしつつ、まぁナントカアホウドリだろうなあ、と撮ったものを後日精査したところ、アホウドリ、今回のクロアシアホウドリ、コアホウドリの三種が写っていた。

撮る前に知識を入れると新鮮な感動が薄れるから、姿形を確かに思い出せるうちに、後からニワカ知識を仕入れてゆくが、この連中はいずれも鼻や夜目がきくようで、特に夜、水面に上がってくるイカを攫って食べるのが主食らしい。つい、名前や佇まいに引っぱられて、余裕綽々な様を想像してしまうが、暗い海、びょうびょうと渡る風、波の高い夜。いくら風に乗るプロと言っても、そう簡単なことでもあるまい。

それにしても、月夜のイカ君は、何も気付かぬまま、突如世界の裂け目からにゅっと現れた創造物に、いきなり攫われ、つるりと呑まれるのだろうなあ。と考えるとそれもまた、すごい。ちょっと絵に描きたいような。

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[写真撮影 : 2023/03 - 伊豆諸島(神津島〜利島)沖 - 推定体長約70cm内外・翼開帳2m内外 - 個人的博物館本館のミズナギドリのなかまのページへ]
[photo data : 03/2023 - Off Izu Islands, Japan - estimated body length about 70cm / wingspan approx 2m - visit the main museum ("
Petrels & Albatrosses")]

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