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アカフトオハチドリ - Rufous Hummingbird - Selasphorus rufus

アリゾナでも東南端のメキシコ国境まで来てみると、聞いた通りハチドリがブンブンとうなりをあげて飛び交っているのだった。一瞬で頭の横を飛び去られたりすると特に色の特徴の薄いメスの同定は難しいが、それでもこの仲間はオレンジ色の要素が多いので分かりやすく、有り難い。

それにしても蜜壺だ。山の中の家は決して多くはないが、たいてい専用の蜜壺を下げ、中にシロップをいれてハチドリに栄養を供給している。軒先にずらりと並べている家もあり、一日で何リットル消費するとか、気前のいい話をしている。商売目的は別として、一般には善意でもあり、また娯楽でもあるようだ。

もちろん花に集まる鳥もおり、人のいない山中にいる鳥も多いのだが、さすがにこれだけ配給をするとなると、環境もスペースも「きちきち」の国からやって来た者から見ると、生態に対する影響がずいぶん気になる。裏の公園で、爺さん婆さんが、子供連れが、競って水鳥に食パンを投げ入れているのを日ごろ苦々しく思っているから、なおさらだ。

とは言え、アリゾナが比較にならないほど広いのはほんとうだ。ハチドリにしても、食物連鎖的には特殊な位置にいるようだし、餌付けしても人に襲われるわけでもなさそうだから、ある種幸福なケースなのかも知れない。とりあえずは、環境の許容する悪習、とでも思っておくことにする。


[写真撮影 : 2008/09 - 米国アリゾナ州・パラダイス付近 - 約8cm - 個人的博物館本館のハチドリのページ]
[photo data : 09/2008 - Near Paradise, AZ, USA - about 8cm - visit the main museum (Hermits & Hummingbirds)]
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