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ズグロウロコハタオリ - Village Weaver - Textor cucullatus

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ハタオリドリの繁殖期は、雄が競って凝った巣を作り、雌がそれを検分して値踏みをする、というものが多い。雄はとにかく必死なので、それぞれが同じ木に丹精込めて巣を仕上げ、また手を入れて、血気にはやって隣と喧嘩し、テンション高く雌を待つ。

僕も暇だから見ていると、確かに雌は現れるのである。雄が一斉に「僕のとこに来て!」モードに突入するので、雌が近づいていることはすぐ知れる。そうして、自分の巣で叫ぶ雄どもの視線を一身に浴びつつも、雌は悠々と、目ぼしい巣を、ひとつ、ふたつと、中に潜り、また外から確かめてまわるのだ。気に入った巣があれば、多分中から何らかの OK サインが出るのだろう、雄も巣に入ってカップル成立。ただ、ひとしきり冷やかして、また去っていく雌も多い。

何がすごいといって、雌が現れた時の雄どもの気持ちだ。雌が現れた瞬間の緊張、ライバルの巣に入ってしまった時の落胆、また出てきた時の興奮、自分の巣に入っていった時の高揚、やたら擬人化するつもりはないが、自分も雄だからか、ぎゅんぎゅんと痛いくらいに伝わってくる。興奮ぶりからすると、東南アジアのマーケットに金持ちの旅行客が来たというか、男子校の文化祭にアイドルが来たというか、とにかくハタオリの配偶者選びは、エキサイティングで、見ていて楽しい。

こいつら、こんなことばっかりしていて大丈夫なのか、と思わないでもないが、まぁ人間にはそう言う資格はないな。

↓雄の勇姿
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作る
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争う
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待つ
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昂ぶる
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頭を冷やす
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我関せずの雌(繁殖期以外は雄もこのいでたちだ)↓
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※ 2019/11 学名及び英語名を変更しました。

[写真撮影 : 2007/08-09 - ガボン - 15-17cm - 個人的博物館本館のハタオリドリのなかまのページへ]
[photo data : 08-09/2007 - Gabon - 15-17cm - visit the main museum ("Weavers and allies")]
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