[這いずり日記] さぼりました。空の巻夕暮れ篇~長野方面2018/8月
さぼっていたのが、だいたい四月から九月。ということで、ちょうど教祖クロツグミ様がおられた期間に相当するので、ついでにこの間の夏鳥の総括をしておく。
夏鳥は種類による増減はあったが、おおむね平年並みだった。教祖クロツグミ様は毎朝毎夕、それはそれは機嫌よく説教をされて、僕等は酔いしれた。一度など、僕等が昼食を摂っている外のテーブルの、3mくらい先の石の上に立ち止まられて、気まぐれに一声、二声うたわれたので、僕等は天にも昇る気持ちになった。一方ツグミで言えば、トラツグミの姿は見えなかった。
オオルリは小屋の前の林に巣の場所を定めて、梅雨の間、カチカチと警護しているのが愉快だった。キビタキは来ていたし、いるはいるのだが、密度が少ないのか、何なのか、あまり啼かなかった。数年前のキビ太郎の勢いは全くなし。コサメビタキの夫婦(僕等はバカップルと呼んでいた)は渡り鳥の先陣を切って、川にかかる、まだ葉が出ていない吹きっさらしの枝に可愛らしい巣をかけた、までは絶好調だったが、案の定、風に吹かれ、雨に打たれて(たぶん)失敗した。無論失敗ばかりではないので、夏の終わりには小屋の前の赤松に、二羽の若鳥(僕等はブラザーズと呼んでいた)が常駐してフライキャッチしていた。コルリは今年はずいぶん多くて、家のすぐ下の林でも営巣した。六月になっても、寝る前、起きた時、一声二声囀って存在を知らせた。
レギュラー級ということで言えば、ノジコも例年並みの密度だったし、センダイムシクイも立派に啼き続けた。一方で、珍しい方の鳥で言えば、川の向こうでアカショウビンの撮影にやっと成功したのと、山の向こうでサンコウチョウ、それも尻尾の長い奴の営巣場所がだいたい特定できたのが、今夏の最大のトピックス。ツツドリは来なかったが、ジュウイチは比較的長い時間留まって、何度か姿を見かけた。例年、全く啼かないのだけれど。あとは何かな、メボソムシクイは今年は来ないな、と思っていたら、九月になって、多分山から降りてきた一羽が、じゅりじゅりと啼きながら、二日ほど留まった。
まぁそんな感じ。書かなかった鳥はだいたい例年並みだ。決して悪くはなかった。
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[写真撮影 : 2018/08 - 長野県] [photo data : 08/2018 - Nagano]