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[這いずり日記] キビ太郎攻める〜長野方面 2016/初夏その2

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東京に三日ほどいて東京の用事を片づけ、また山に戻って三日ほどいた。慌ただしい。


今回のトピックは、キビタキのキビ太郎の行状。小屋の前の林を縄張りとして威張っているキビ太郎は、明け方から夕暮れまで休まずさえずる働き者の若い雄で、気が向くと近くまで来てこちらに向かって啼いたりしている。このキビ太郎、たぶん小屋の網戸についた小さな虫をひょい、と食べた時(これはキビタキに限らず、シジュウカラ、キセキレイ、いろいろな鳥がやる)、たぶん気づいてしまったんだと思う、ガラスの向こうに、自分と同じような若いキビタキのオスの姿が見えるのに。

とにかく、ここのところ、毎日毎日、夜明けから小屋の窓にやって来ては、小屋の窓を攻撃するのだ。時々飽きて林に戻るが、気になって気になって気になって仕方ないらしく、しばらくするとまたガシガシとガラス窓を攻撃してくる。ひとしきり攻撃した後は、窓の枠に居座って、こっちを向いてヒヨヒヨヒヨヒヨ(推測による意訳:てめーふざけんな)と不気味な声を発したりする。英語名 Narcissus Flycatcher の本領発揮というべきか。

防衛活動に熱心な余り、体調に不調をきたすかと思って心配して見ていたがそういうこともなさそうだし、まぁ
窓に衝突死するよりは、窓という不愉快な物体が存在することをしっかり認識してもらっておいた方がよいと考えて、放置することにした。多少頻度は下がったが、いまだにガシガシやりにやって来る。窓ガラスさえあれば、僕がいても意に介さない。雰囲気は写真をご覧下さい。

あとは梅雨が近づいてちょっと湿っぽくなってきた。木の葉が茂り、草も競争が激しくなってきたから、もう地面近くに這うような小さな植物の花の出番はすくない。むしろすっくと茎を伸ばす、アヤメやらオダマキやらの世界になりつつある。あとはウツギやヤブデマリなど木の花。その意味では、毎日毎日新しい花が咲いてますブームは一段落したというべきか。

鳥は顔ぶれは変わらないが、存在感は濃密。林から下りるとカッコウが多いし、林にはホトトギスの巡回頻度が増えてきた。
ツツドリも健在。コルリやヤブサメの声も近いところからしてきた。また、久々にきれいなヤマドリの雄も見た。

虫は順調に増えている。フタスジチョウや、シロトラカミキリも出てきた。スズメバチやドロバチが巣を作っている。

植物探索は、あまりにも種類が増えすぎて、ちょっとどうするか熟考中。植物は独立させて別カテゴリにしようかとも。

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早朝、物音に目覚めると窓からこちらを覗いている
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ガシガシとガラス窓をけちらして、網戸に停止する(ベッドから寝ながら撮影)
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夕暮れ、何やら不気味な声でヒヨヒヨと囀りながら(意訳:おんどりゃー死にたいかこりゃー)室内にガンを飛ばす
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昼間、室内を覗き込む。だからいないって
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なんだかわからないけど、そこにいる。
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[写真撮影 : 2016/06 - 長野県] [photo data : 06/2016 - Nagano]
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