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[這いずり日記] 山の正月「地」の巻〜長野方面2017/冬その1a

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正月の雑事を片づけて、逃げるように夫婦で山へ行く。東京で仕事が入った理事を駅に送り、さらに数日。計10日ほど。


気温の底の時期まで間もなく、もう容赦なく冬になっている。雪は根雪だし、最低気温は -11C くらいまで来た。寒いのはまぁ慣れるとしても、一日の最高気温が0度の水面下、それも水面までだいぶ深いところだと、少しめげる。昼食を食べて、さあ散歩に出かけようか、という時にマイナス3度だったり。さすがにここまで来ると、鳥も元気がない。

アトリは地面の露出に合わせて群れを大きくしたり小さくしたり、遭遇すると不機嫌そうだ。木の実の落ちた後に残った萼のひからびたのを、ヒヨドリのみならずアオゲラまで一緒にむさぼっている。そしてそのヒヨドリを、ハイタカが襲う。川には耐寒仕様のカワガラス、久々のセグロセキレイ、池に初めてホシハジロ、まぁあとはだいたいいつもの連中。雪とともにベニマシコが出てきたので、今のところ欠席はカヤクグリ、オオマシコキクイタダキくらいか。

鳥を見ながら、引き続き風景を撮っている。風景といっても銭湯の壁画のようなものではなくて、模様とか、紋様とかの類だ。こういうものを撮る場合、ファインダーと目視を頻繁に切替えながら、自分が写したいものがどこの何なのかを確認して行くプロセスが必要になる。そして何が心にひっかかったかはほぼ明確にわかるのだが、それが例えば道にできた一本の線だったりする。今度はなぜこれが撮りたいのか自問自答する。こういうことが面白い。そして、こういうことにはデジタルカメラが相棒としてよく働く。

従って、今冬の個人的テーマは抽象の再発見だ。自分は根っから具象の人間だと思っていたが、案外そうでもないらしい。カンディンスキーも、たまたまひっくり返った自分の絵を見て、なんだこれでいいじゃん、とか思ったらしいが、それに似たようなことが起こっている。まぁ、カンディンスキーも、僕の偏愛するシュトゥックに学んでいるのだ、なんの不思議があろうか。

想定していなかったことだが、心に引っかかる紋様は、空に、地に、水に、無数に現れる。動物の写真は動物が出てこなければ撮りようがないが、これは大げさに言えばいくらでも撮れる。だから、物理的な撮影枚数が増えて困る。困ったので、今回は地篇、水篇、火篇三つに分けることにした。まずは地篇から。地といっても、雪だったり植物だったりするのだが。

水の巻は
こちら、火の巻はこちら

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[写真撮影 : 2017/01 - 長野県] [photo data : 01/2017 - Nagano]



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