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[這いずり日記] ヤマネがいるようだ〜長野方面2016/秋その5

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東京でミーティングをいくつかすませて、また一泊で帰る。うっかりしている間に最低気温は4度まで来ていて、こうなると氷点下も間もなくだ。口癖のように言っているが、まことに速い。速すぎる。

連休をはさんだのでその間は賑やかだったが、連休を過ぎてみるとひたすら静かで、さぁ君はこれから何をするのかね?という森の語る声が幻聴として聞こえてくる(嘘)。静かなのは人がいないせいだけではなく、鳥も獣も、ほんとうに静かだ。意図的に声を上げるのはカケスとイカルくらい。

だから、もうとっくに帰ったと思っていた
キビタキツツドリを見かけて驚く。キビタキなど、先月の中ごろに東京の家に来ていたというから、あるいはここにいたものではなく、北の方から戻ってきた後発隊なのかもしれない。動物も鳴かない。もともと鳴かないが、今時分は小屋の裏の薮に常駐しているのがわかったのは、毎回そばを歩くと跳んで逃げて行くからだ。

よいことがいくつかあった。まず、夏のあいだ小屋の前の林の木にかけていたセンサーカメラ(雪がない時期に地表を画角に入れて設置すると、揺れ動く葉にいちいち反応して用をなさないため、木にかけておくことが多い)のカードを久しぶりに回収したところ、
リスやテンに混じって、ヤマネが写っていた。間接的ではあるが、ここにいるのかいないのか、かなり気になっていた珍獣の初認になる。それから、キノコの季節になって、小屋のまわりにハナイグチが出ることがわかった。以前北海道育ちの母が生きていた時、ときどき郷里から「落葉樹」という名前のうまいキノコの水煮を確保して家族で食べていたが、改めて調べてみると、このハナイグチが「落葉樹」の正体らしい。気候が似ているのは確かだが、これは偶然としてはうれしい。

夏のあいだ仕事にかまけていた理事は、この季節、日曜大工に夢中である。設計図もなく、段取りもなく、直観のみを頼りとして、目の前にした板や丸太をギコギコと切り、バンバンと打って行く天真爛漫さは爽快なほどで、でき上がったものはどれも傾いていたり、用をなさなかったりするが、本人は楽しそう、というか、もう楽しくて仕方がないと言っている。

という風に山の生活をたのしんでいたら、東京のコンピュータから音信が途絶えた。帰って調べると、結構重症だ。家もそうだが、コンピュータにも時々こうやって愛情を試されることがある。まことに面倒くさい。

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たまたま通りかかった神社が祭だった。しかし、いくら祭で食器を洗うのだと言っても、水を祀る神社の泉で中性洗剤を使ったらいかんだろう。
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下の部落の人の話だと、天候不順で稲刈りが遅れているらしい。
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マムシグサもこんなになっている。
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権現ファミリー。たまには違う方角から。
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クリック/タップで拡大するはずだが、拡大した時に見える黒いものは飛んでいるアカトンボであって、決してセンサーのゴミではない。
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絶賛店じまい中:アカツメクサ、ヒメジョオン、マツヨイグサ、クサノオウ、ママコナ、オオバコ、アラゲハンゴンソウ、ヤマトリカブト、ススキ、ノコンギク?、セイヨウタンポポ、ハキダメギク、サンヨウブシ?、ヤクシソウ、イヌタデ、アキノエノコログサ、ナギナタコウジュ、この他に未同定ノギクとかヒユとかあり。基本、よほどの変わり者を除いてもう終わった、と考えて差し支えない。

[写真撮影 : 2016/10 - 長野県] [photo data : 10/2016 - Nagano]
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