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[這いずり日記] いまはもう秋 〜長野方面 2016/秋その1

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ずっとぼやっとした天候が続いていたが、この一週間は雨が多くて、おおむね観察不適。そして東京に一旦帰る日曜日、久しぶりに晴れ上がってみると、もうあたりはすっかり寂しくて、秋みたいになっていたのだった。

まず草むらの密度が、いつの間にか少しずつ下がっていた。六月の頃ならば、後から伸びてくる草花は、アヤメにしろ、オダマキにしろ、ある種の鋭角をもってシュっと来ないようなら、葉の密集を抜けられずに日の光や虫の注目を受ける資格はなかったが、今は草むらの葉もそれぞれに勢いを失って、ダレた会社の組織みたいに隙間が結構ある。

そもそも、クルミの黄色い葉を先頭に、もう落ち葉が空から舞ってくる。目を上げれば、繁殖期を終えた
トンビの連中が、午後の集会の習慣を再開していた。五月に入ってから、つい最近までは林の上、ひたすらに高いところだけを行き来していたサンショウクイが、集団になって下の方に下りてきた。去年もそうだったが、これは一家が南に帰って行く準備らしい。

下の村の祭も終わると、もうあとはよろず、下がってゆくのみ。オオムラサキも、
コムラサキも、今年は出ないらしい。

そう言えば、サンコウチョウ。僕はもう去ったものと思い込んでいた。理事ひとり、
おかしい、どうもいるような気がする。と執念深くその姿を追っていたが、金曜日の午後、満面の笑みを浮かべて「いた」と報告に来た。説明によると、カラ類を中心とした混種のフロックに混ざって移動していたそうだ。二羽だけ大きいので可笑しかった、ただ一声も発しなかったという。継続性とか精励というのはこういうことだな。全く頭が下がる。

絶讃開花中(☆新、▼間もなく終了):▼
ヤブカンゾウ、シロツメクサ、アカツメクサ、▼ミツモトソウ、ヒメジョオン、▼ダイコンソウ、マツヨイグサ、キンミズヒキ、ヤマホタルブクロ、ゲンノショウコ、クサノオウ、ヤブジラミ、オトコエシ、イタドリ、☆ベニイタドリ、クサフジ、▼オカトラノオ、ムシトリナデシコ、コバギボウシ、キツリフネ、ツリフネソウ、ヤマハギ、ママコナ、オオバコ、▼ボタンヅル、イヌゴマ、ツユクサ、アラゲハンゴンソウ、チョウセンヨメナ、イヌトウバナ、ヌスビトハギ、キオン、カントウヨメナ、シシウド、フシグロセンノウ、▼クズ、カタバミ、ヌスビトハギ、フヨウ、ガガイモ、☆カリガネソウ、☆ヤブマメ、☆タイアザミ、☆ミズヒキ、☆ママコノシリヌグイ、☆コウゾリナ、この他に未同定ノギク、未同定アザミ。

たぶん小屋周辺の草花としては希少度でかなり上位の方にあると思われるカリガネソウ。スポットまで確認に行くと、今年も無事に開花していた。15株くらいはあるだろうか。やれやれ。

↓秋の雲と夏の雲のハイブリッドみたいな。
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ひたすら寝る理事
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ハンゴンソウの攻撃が止まない
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[写真撮影 : 2016/08 - 長野県] [photo data : 08/2016 - Nagano]
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