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[這いずり日記] 筑前大島 2015/冬

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前に蓋井島に渡ったとき、玄海灘にいろいろな島が見えたのだった。ほう、というわけで、今回は筑前大島。ちょうど西日本に仕事があったので調整し、和白で一泊、島で二泊した。

大島というだけあって割合に広い島で、山も浜も磯もあるが、最高峰が約200m、おおよそ傾斜が適度であってその分懐が深い印象を受ける。手付かずの自然とまでは言えないが、ロケーションがとてもよいので、鳥は全般に豊か。季節が季節なので珍しいものは出なかったが、いるべきものは大体観察することができた。

天気も良かったが、ただひたすら寒かった。博多の方からバイクを借りて神湊、つまり渡船の港に向かったのだが、乗りながら震える、くしゃみは出る、鼻水は出るでこういうのは
澎湖以来だ。着る予定のなかった非常用の厚手のフリースを引っ張り出し、それでもガクガクとふるえる膝は止まらない。しかも、どうせ目と鼻の先、とか舐めて乗船したフェリーがダッパン、ダッパンと揺れる揺れる。結構ヨレヨレになって宿に着くと、オバサンに玄海灘ですけん、と自慢されてしまった。

島は言うまでもなく寂しいが、それでも蓋井などに比べればまだ余裕がある。観光もそれなりに資源があり、力が入っているようだ。ただ、和白から神湊に向かう道すがら、「福津市から世界遺産を」という旗が道路脇に絶えずはためいているのは、微笑ましいを通り越してもの哀しいものがある。島では期待する意見と、否定的な意見の両方を聞いたが、まぁ、それにしてもどこも。かしこも。ご苦労様な話だ。

メジャーな場所でもなく、適期でもないから、自然観察の人はもちろん、観光客のひとりもいなかった。牧場の草地も、林中の軍道も、キリシタンの神父が身を隠した悲しい洞窟も、幕末の志士が流された浜も、みんな貸し切りだった。バイクを停めては歩き、止めては歩きしていると、
キクイタダキが頭上で呼んだり、ノジコが出てきたり。山道では眼下にノスリが止まったり。入り江では無数のカモメ(ウミネコとセグロ)が群れていたり。まぁ十分楽しんだ。ついでに、行き帰り久しぶりに視察した和白で、ツクシガモほか各種カモをチェックした。

今回は新機軸で、行きに松本空港に車を停め、塩尻から名古屋、新大阪いり。帰りは福岡空港から松本に帰った。ちょこまかした工夫はちょっと楽しい。

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[写真撮影 : 2015/11 - 福岡県・筑前大島] [photo data : 11/2015 - Chikuzen-Oshima Island, Fukuoka, Japan]
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