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[這いずり日記] 長野方面 2015/晩夏その2

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前半は理事と、後半は単独で、都合十日ほど居たけれども、雨ばかり降るし、したがってあまり何も出てこないし、あげくにはスズメバチにブスブスと刺されるわであまり良いことはなかった。
数少ない、とても良かったことは、二年ぶりにジュウイチを確認できたこと。ジュウイチという珍鳥は少なくとも東日本では鳴いているのさえ僕は聞いたことがないが、どういうわけか、この季節、小屋の近くの林道沿いにいる。何をしているのか全く不思議だが、今回はバッタを捕らえて食べていたのだけ分かった。オオルリにも托卵するはずだが、春先にあの奇矯な鳴き声を聞いたことはないし、渡りの途上、川沿いの林道で時間調整をしているのか、とにかく不思議な滞在だ。

次に良かったのは、原っぱの向こうの細流に、桃源郷のような場所を見つけたこと。そこだけ林が偶然切り開けてぐちゃぐちゃとした湿地帯に、オタカラコウやツリフネソウが満開になっている。そこにヒョウモンを中心とした鱗翅類やハキリバチなどの膜翅類、さらにはトンボなども集結してなんだかすごいことになっていた。蝶は食べ飽きると上の方の木の葉で翅を広げてやすむ。緑を背景として、黄、青、茶、橙、赤、いろいろな色がまざってとても楽しい。

あとはまぁ、家のタイアザミにヒョウモン連中が集まって撮ろうがつつこうが動かないとか。雨の舗装道路でヤマドリの親子が進退窮まっていたとか。そんな程度だ。八月も終盤にさしかかると、甲虫がめっきり減る。トンボばかり目立ち、どう言うか「あれも終わったか、これも終わったか」という寂しい気配が山を包んでいる。もう朝晩の気温は15C。少し肌寒い。
クスサンはまだ出てこない。

絶賛開花中:イヌゴマ、ママコナ、
ツリフネソウ(盛り)、キツリフネ、ツユクサ、ユウガギク、ハルジオン、シテシャジン、オトコエシ、ムクゲ、ツルフジバカマ、ヌスビトハギ、コバギボウシ、ヤマホタルブクロ、イタドリ、ベニイタドリ、ヤブカンゾウ(最後の一花)、ゲンノショウコ、アカツメクサ、オオバコ、キオン、オオハンゴンソウ(終わりかけ)、シシウド、同定中のノギク、サラシナショウマ、ヤマトリカブト、アケボノソウ、イヌタデ、ママコノシリヌグイ、フシグロセンノウ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ギンミズヒキ、ノボロギク、オタカラコウ、カタバミ、クズ、ヤマフジ、カリガネソウ、ブタクサ、その他未同定いろいろ。秋の花も個性的でなかなか結構。

写真は趣向を変えて、道端の緑シリーズ。ずっと雨だったし、苔むして。

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[写真撮影 : 2015/08-9 - 長野県] [photo data : 08-09/2015 - Nagano]
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