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[這いずり日記] 長野方面 2015/初夏その5

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理事はこの夏いろいろと用事ができてしまい、この夏は単独生活となる。まぁ理事がまだいるうちは一緒にいようかということでしばらく東京にいたが、あまり暑いので逃げるように山へ。途中で理事も合流して三泊。

とは言え台風の影響で、滞在中はほとんど雨が降り続け、風も吹き続けた。オニアザミは倒れ、木の枝はだいぶ落ち、胡桃もだいぶ実を落としたものがある。鳥は必死で、ひとことでいうなら観察できるような状況ではなかった。それでも雨の後、オオルリは高校生くらいの子供を連れて挨拶に来たし、ノジコやアカハラ、コサメビタキ、コムクドリ、それから年中いる連中もそれなりに元気だった。落鳥したものもいるだろうが、大事には至らなかったようだ。

虫も意気消沈で、蝶やカミキリは出ず。小屋の外も中も、ハサミムシばかり目立つ。ただ、陽が落ちるとゲンジボタルが一匹(毎年どういうわけか一匹しか出ない)光っていたし、嵐の後はウンモン、シロホシ系など山のテントウ類が小屋の内外に避難してきた。

結局雨読で本を読むばかりで、ほかに大して書くこともない。

ただこういう時には、植物観察を対応範囲に加えたことはよい。もともと、植物と菌類は老後の愉しみにとっておいたのだが、人間いつ死ぬかも知れぬし、既に初老ではないかという声もある。いまが老後だ、ここで撮れ。ということと決めて、小雨のなか、花の検分だけは怠らなかった。

絶賛開花中:ヤブジラミ、イタドリ、ドクダミ、シキンカラマツ、ダイコンソウ、ヤマホタルブクロ、コバギボウシ、クサフジ、オドリコソウ、ハルジオン、ムシトリナデシコ、ヒメフウロ、ヤマアジサイ。

質素な花、園芸種なら園芸種の素性が明らかな花はよいが、園芸好きの老婦人が近隣に居住していたことがあるため、野生か、人工か、迷う花も多い。唐突に生えていて、器量が不自然に良いのが要注意だ。この辺は、芸能界の事情にちょっと似ている。たぶん。

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コバギボウシ。生え方から多分天然だと思うけど、ちょっと不安もある。
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[写真撮影 : 2015/07 - 長野県] [photo data : 07/2015 - Nagano]
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