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[這いずり日記] 山口・宇部 2012/秋

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久しぶり、というほどでもないが、小野田や宇部の辺に行ってきた。後からこじつければ今回のテーマは川で、西から木屋川、厚狭川、厚東川、土路石川の河口や中流で二日ほど漫遊してきたことになる。

西国のせいなのか、温暖化のせいなのかは今一つ不明だが、まだ結構蜂や蝶がぶんぶん飛んでいるのに驚いた。陽射しも暖かい。見上げるとヒバリが囀っていて、薮ではウグイスがぐぜっている。かと思えばカモ連中をはじめジョウビタキやシロハラと言った冬鳥が、到着の興奮を引きずってドタバタとしており、なんだか季節感のない、乱雑な賑わいに終始面食らう。そこになぜキクイタダキまでしれっと居るのかがよくわからない。

河口ばっかり歩くとダンプカーや煙突、廃棄物処理場などで心がすさんでくるから、最後は少し山を上がってダム湖のあたりで気を取り直すが、今度は、寂れた道に面した淋しい山の家の庭で、なぜか若い娘が座ってオカリナで昔の歌謡曲を吹いているのに遭遇してまた驚いた。悲しいようで、可笑しいようで、また少し怖い気もして、横を通る時に少しくドギマギしたのは内緒だ。

鳥は全部で50種類くらい。世間的に言えば最大のスターは
クロツラヘラサギ。個人的には、山の薮からちょこんと首を出して、飛び立つべきか戻るべきか緊張していた久々のクロジが一番印象に残った。いろいろ印象のまとまらない旅だったが、こうして書いてみると、鳥の名前が多い。改めて西日本は鳥が豊かであるような気がする。

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写真はそれぞれ河口と中流。河口に写っている鳥の群れは、ほとんどがオナガガモ。

[写真撮影:2012/11 - 山口県] [photo data : 11/2012 - Yamaguchi pref. Japan]
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