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[這いずり日記] アカショウビン!〜長野方面 2016/初夏その3

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ちょっと慌ただしかったが、用事の合間を縫って三日ほど山入り。


月曜日、用事や仕事を片づけて東京を発ったのだが、当初予定の11時を大幅に越えて、家を出たのが朝の三時になってしまった。途中で夜が明けて、五時前くらいに小屋に到着する。小雨。いつもなら多分間違いなく寝ている時間帯だが、それでもちょっと無理して出かけた執念、いや勤勉は、たちまち報われた。なんと小屋の前の林でアカショウビンが啼いていたのだ。

もちろん小屋でも初めてのことだが、そもそも本州で渡りのアカショウビンとなると、九州で何回か、京都の北山、それからひと頃通っていた新潟の松之山周辺で二・三回、と数えるほどしか遭ったことはない。最近の事情は知らないが、アカショウビンが有名になった松之山などは、十年ほど前、山から下りてきて車道をあるいていたら、いきなり僕の横に大きな車がきゅっと止まるなり、窓からおばさんに「アカショウビンはどこですかっ!」と聞かれたことさえある。(すっかり興ざめして、あれから松之山には行っていない。パトカーにも追われたし)

一方、小屋への攻撃に執念を燃やす、我が小屋をテリトリーとするキビタキキビ太郎は、子どもが巣立った。巣立ちの途中で、ノーマークだった僕の頭上からキビタキの子が四羽バラバラと降ってくるというアクシデントがあったので、少々心配しているのだが、前の林から聞こえてくる親子の声から推測するに、そこそこ順調のようだ。キビ太郎は巣立ちの当日、翌日は攻撃を休んだが、翌々朝からまた元気に窓ガラスを蹴飛ばしにやって来ている。

今年は少ないかと思っていたノジコ、コサメビタキ、ホトトギスもそれなりにいる。全体的な感想として、今年の夏の鳥相はわるくない。

定期観察のため、久しぶりに夜間照明をつけてみたが、梅雨入りを機会に虫の数・種類は激増した。毎年の常としてジョウカイボンが多くてうるさいが、鱗翅類、鞘翅類を中心に最盛期に突入した感がある。ウンモンスズメアヤトガリバ、ムラサキシャチホコ、その他個性的な皆さんとも久方ぶりのご対面となった。

あたらしい草花がつぎつぎと咲いていた時期は過ぎ、花の主役は木にうつった。それでもササバギンラン、ヤマオダマキ、アヤメ、いろいろと地面からも花が咲いている。

三日しかおらず、そのうち二日は雨だったので、写真は少なめに。梅雨入りして雨が多く、毎日好きなように観察に出られる時期ではないが、いろいろな意味、いろいろな分野で「本番」という季節なのかも知れない。

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[写真撮影 : 2016/06 - 長野県] [photo data : 06/2016 - Nagano]
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