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[這いずり日記] 長野方面 2014/春その3

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一週間ぶりに四日間。前回からぐんぐん伸び始めた葉っぱはさらに勢いを増して、空を地面を覆い出した。


簡単に言うと、すべての葉が出揃ったわけではないが、もう坊主の木はないという状況。とにかく新緑がきれいで、鳥や虫ならずとも気分は上々だ。

鳥の観察はますます窮屈になってきた。高らかに到着を啼き伝えるから存在はわかるが、サンショウクイなど高みの鳥は、既に見づらい。クロツグミなど地面の鳥の観察もさらに厳しい。ただマイナス一方かというとそうでもなくて、囀るノジコ、花に集まるコムクドリなど、新顔が小屋の周囲に現れては立ち去る。どちらも決して珍鳥ではないが、どこにでもいる鳥というわけでもなく、何と表現するか、渋いキャストが総出演する通好みの芝居、とでもいったらよいか。

ウサギやテンの観察適期は過ぎ去ったが、顔なじみになった隻眼のカモシカ、小屋の前の林に居を定めたつがいのリスなどは健在だ。

葉の伸長にあわせて、虫も爆発的に増えてきた。夜、あかりをつけると、まだイボタガも飛来するが、エゾヨツメやオオミズアオといったヤママユに主役は譲ったという風情。蛾も多いが、小さな双翅類がわんわんと明かりの周りを群れているのが楽しく、かつ鬱陶しい。葉が出て、虫が出るから渡り鳥が集まるわけで、高度成長期のような興奮が山の林をつつんでいる。春はよい。

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↑冬の木々、
この辺に比べると、同じ曼荼羅でも描き換わったという印象。

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阿弥陀の雪もとうとうなくなった。

[写真撮影 : 2014/05 - 長野県] [photo data : 05/2014 - Nagano]
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