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[這いずり日記] 長野方面 2014/春その1

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こぶしが終わり、桜が咲いたので今回から春の区分。山の方があんまり面白いから、どちらからというと山を本拠にして、東京には出稼ぎに来るという感覚の生活となっている。


葉がまだ出揃っていなくて見通しがよく、一方で、色気づいた野鳥が勇んで出てくるこの季節は、鳥を見るには一番よい。心配していたキビタキやセンダイムシクイが一斉に到着し、だいたい夏鳥が出揃った。オオルリはほぼ縄張りの画定が終わって囀りが本格化してきたが、キビタキはまだ小競り合いが続いている。

そして、本当に来ているのか疑心暗鬼だった、サンショウクイが確かにやって来た。昨年、小屋の前の木に何羽か止まっているのを見た、間違いない、と理事が主張していたのだが、期待半分、疑い半分で待っていると、ジリジリ、というあの鳴き声とともに一組のつがいが現れて、日に何度も、小屋の前をくつろいだ風情で巡回していく。今となっては深山の鳥に分類されるこの鳥を、間近に眺められるのは期待以上だ。

そして期待通り、と言えば夜のイボタガ。春になって初めて、深夜、仕事部屋の窓に体当たりをしてくる蛾の音がしたのでカーテンを開けると、飛び去る姿がおおきく、白い。追うと、他の追随を許さない孤高の紋様。やはりイボタガだった。

サンショウクイが出て、イボタガが出て、クロツグミやキビタキが啼いていたら、もうそれだけでおなかいっぱい、というかそれ以上。テンションの高い動物に囲まれて、見る僕の気持ちが高揚した、今回の滞在だった。

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[写真撮影 : 2014/04-05 - 長野県] [photo data : 04-05/2014 - Nagano]
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