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[這いずり日記] 長野方面 2014/冬その2

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いつもの場所に四日ほど。近所にある測候所の観測によると、この地域で統計的に気温が一番下がるのは一月末で、だいたい25日過ぎから2月5日くらいまでは平年値で最低気温が -9度を下回る。寒い場所に拠点を設けて半年。やっと、一年で一番厳しい寒さの時を迎えたことに気持ちは高揚する。そして若干の緊張もある。

前回より少し減った積雪を踏みしめて到着してみると、確かに寒いは寒いが、身構えてもいるから、案外大したことはないな、とも感じる。それでも翌朝は見事なダイヤモンドダスト。こちらも久しぶりだが、理事は初めてで窓の外を驚き見入っていた。ただ寒かったのはこの朝まで。この後は寒さも緩み、最終日などは日中は10度を越えて、雪は目の前で見る見る融けていくのだった。厳しいと聞かされていた昨年に比べると雪も少ないし、温度も下がらない。ゆるい冬なのかも知れない。

鳥は丹念に見たが新顔はなく、昨年より明確に多い
ルリビタキのほかはシロハラだとかモズだとか、東京にもいるようなのが目立つ。ならば雪のあるうちに、と哺乳類の勉強につとめた。懸案の鹿道のマッピング。谷あいに伸びた鹿道を下流に向かって辿ってゆくと、やがて踏み跡は急斜面をトラバースして、崖の上にある車道に出た、のだが、そこには電気柵が張り巡らされていたのでびっくり。さらに斜面を巻くように凍った踏み跡を辿ると、墓地のところから上の畑に出ることができてほっとした。林の中の鹿道は、狐、、テンも利用しているようだ。中途にはタヌキのため糞場もある。

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以前は、上流のどこかに寝床があり、夜になると谷を下り、僕の小屋の裏手を通って下流の畑に抜け、食事をして明け方に戻ってくるのではないかと思っていたが、センサーカメラの報告などを見るとどうもそう簡単でもないらしい。うろついているのは1ないし2グループで、昼間は案外小屋の近くで休んでいる気がしてきた。少なくとも今の季節は、谷間に留まっている時間が長いのかもしれない。まぁ畑も雪に覆われているわけだし。

というわけで、調査はすすむ。写真は上が里の大山祇神社、下が林の中の鹿道。

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[写真撮影 : 2014/01 - 長野県] [photo data : 01/2014 - Nagano]
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