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[這いずり日記] 茨城・涸沼〜銚子 2009/冬

茨城にいくつか用事があったので、その合間を縫って鳥を見ていた。去年の秋にも別な用事で茨城に出かけたが、山の方に行ってあまりよい印象がなかったので、今回は海、それから湖で水鳥を見ることにした。

僕の場合、基本というか原点は、山や森を歩いていて、出てくるものとの遭遇をおどろきたのしむ、というスタンスなので、水鳥は門外漢というか、素人同然である。いるものは大抵見えて、ただ、無数に見えるものの中から同質や異質を見極めていく、という水鳥の観察は根気を必要とし、ともすれば粘り強さに欠ける僕の資質にはなかなかそぐわない。

まぁそうは言っても背に腹は代えられない。氷点下の明け方、いつもより一回り大きなレンズを持って湖の水際を歩けば、見慣れた種類の鴨に交じってハジロカイツブリが怪訝そうな視線をこちらに向けている。頭上ではミサゴが飛び、葦原はホオジロ類ががやがやと騒がしい。パリパリと凍りつく髭を撫でながら、まぁこれはこれで楽しいものだな、と認識を新たにした。遠くの方では、マガモだろうか、吃驚するような数の群れが、水の中の泡のように湧き立っているのが見えた。

余勢をかって海岸に出て、漁港で海鴨やカモメに挨拶したりもしたが、海とのつき合い方は正直まだしっくり来ない。これは海で溺れかけたというトラウマとも関係しているかもしれない。などと明け方、寝床で考えていると、窓の外でフクロウが呼んでいる。窓辺に立つと、さっと飛び去った。夜は結構冷えた。



[写真撮影 : 2009/12 千葉・銚子海岸] [photo data : 12/2009, Chiba, Japan]
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