[更新情報] ギリシャ東部トラキア地方の冬の鳥 その2
11/02/11 01:37 category :update info
個人的博物館本館を更新しました。今回の対象は、2009年2月、ギリシャ東部のトラキア地方で撮影した鳥の写真の二回目、前回のティヘロ村から見ると西側にひろがる丘陵地帯で撮影したものです。
更新リストは以下。クロウタドリ、クロハゲワシ、クロジョウビタキ、ズアオアトリ、ハタホオジロ、ノハラツグミ、ゴシキヒワ、シジュウカラ、アオカワラヒワ、シロエリハゲワシ、アカゲラ、ハイイロガラス、カタジロワシ、カケス、ヤドリギツグミ、ニワトリ、ゴジュウカラ、ハヤブサ、ワタリガラス、バルカンコガラ、カオジロアカゲラ、コガラ。英語だと Eurasian Blackbird, Cinereous Vulture, Black Redstart, Chaffinch, Corn Bunting, Fieldfare, European Goldfinch, Great Tit, European Greenfinch, Eurasian Griffon, Great Spotted Woodpecker, Hooded Crow, Imperial Eagle, Eurasian Jay, Mistle Thrush, Domestic Fowl, Wood Nuthatch, Peregrine Falcon, Common Raven, Sombre Tit, Syrian Woodpecker, WIllow TIt.
ギリシャで言うエブロス川は一山越えた向こうのブルガリアに水源がある500kmほどの川で、下流はギリシャ・トルコの国境となってエーゲ海に注ぐ。僕がうろついていたのはこの川の下流の西側、ギリシャ側ということになる。軍事的理由から立ち入り禁止のエブロス川に沿って点々と村や町があり、道も通っていて教会もあるわけだが、そこから西側にさらに進んでいくと、ごつごつと岩が露出した低山帯に突入する。標高は、400mから1000mといったところ。
ただでさえどこかうら寂しい地方だから、車で山道を進んでいくと、それはそれは寂しい。道は荒れていて、枝道に入れば砂利道だ。村もない。対向車などはまず来ないし、過去の緊張を反映した撮影禁止の道路標識などが錆びついて立っている。枯れ木越し、ところどころの山稜に、風力発電のプロペラや、アンテナ、軍事施設などが立っているのが見える。風がびゅうびゅうと渡っていき、冬のせいもあって人はもとより、生き物の存在感さえ希薄におもわれる。
それでも、朝早く起きて、岩山の傍らに車を乗り捨て、露岩の上を息を切らせて渡っていけば、木の茂み、薮の中、岩の上に、それぞれの鳥がうごめいているのがわかる。そしてやがて日が差し込みだすと、山の向こうから、隼、鷹、そしてやがては禿鷲も現れて、僕は誰もいない、廃虚のような石の祭壇の真ん中で、ひとり対面の儀式を続けるのである。
[写真撮影 : 2009/02 - ギリシャ・カプサロ] [photo data : 02/2009 - Kapsalo, Greece]
ギリシャで言うエブロス川は一山越えた向こうのブルガリアに水源がある500kmほどの川で、下流はギリシャ・トルコの国境となってエーゲ海に注ぐ。僕がうろついていたのはこの川の下流の西側、ギリシャ側ということになる。軍事的理由から立ち入り禁止のエブロス川に沿って点々と村や町があり、道も通っていて教会もあるわけだが、そこから西側にさらに進んでいくと、ごつごつと岩が露出した低山帯に突入する。標高は、400mから1000mといったところ。
ただでさえどこかうら寂しい地方だから、車で山道を進んでいくと、それはそれは寂しい。道は荒れていて、枝道に入れば砂利道だ。村もない。対向車などはまず来ないし、過去の緊張を反映した撮影禁止の道路標識などが錆びついて立っている。枯れ木越し、ところどころの山稜に、風力発電のプロペラや、アンテナ、軍事施設などが立っているのが見える。風がびゅうびゅうと渡っていき、冬のせいもあって人はもとより、生き物の存在感さえ希薄におもわれる。
それでも、朝早く起きて、岩山の傍らに車を乗り捨て、露岩の上を息を切らせて渡っていけば、木の茂み、薮の中、岩の上に、それぞれの鳥がうごめいているのがわかる。そしてやがて日が差し込みだすと、山の向こうから、隼、鷹、そしてやがては禿鷲も現れて、僕は誰もいない、廃虚のような石の祭壇の真ん中で、ひとり対面の儀式を続けるのである。
[写真撮影 : 2009/02 - ギリシャ・カプサロ] [photo data : 02/2009 - Kapsalo, Greece]
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