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ニホンセセリモドキ - A Teak Moth -Hyblaea fortissima

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そよ風の吹く心地よい晴れの日、内村川から塩田平へ向かう峠道をのぼってゆく。もうじっとしていられないとばかりのテングチョウが一頭、二頭、いや五頭、十頭、追っかけたり、追払ったりしているのをほけっと眺めていたが、足許によわよわと飛んでいる別のものを見つけた。

模様からああこれはミヤマセセリ。と早合点したが、地面近く、二頭が絡まるようにふわふわと飛んでいる様も、毛並みがよさそうな前翅も、全然セセリのものではない。あれ、おかしいなあ、と、とりあえず撮るものを撮っておくことにして、後で調べるとニホンセセリモドキという蛾であるとわかった。

「地面近く、二頭が絡まるようにふわふわと飛んでいる様」はうまく描写するのが難しいが、地面から空気が吹き出していて、それに踊らされるように、やわらかい褐色の布がひらひらと舞い、布に描かれたオレンジの星がちらちら見える、という、まぁ、そんな感じに見えた。

本当はそのちらちら飛んでいる様を撮影しなければならなかったのだが、何せちっこいし、久しぶりの飛ぶ虫だし、その間にカメラも替わったりして、もたもたしていたらいなくなっちゃったんですぅ、とでも言い訳しておこう。

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↓いわゆるピンボケであるけれども、見ていた感じには一番ちかい。
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↓ 翅の下に見えるモシャモシャしたのはヘアペンシルという名前の器官で、雌を吸引するフェロモンを出すそうだ。
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[写真撮影: 2023/03 - 長野県上田市 - 開長約15mm - 個人的博物館本館のその他の蛾のページへ]
[photo data : 03/2023 - Nagano, Japan - wingspan abt. 15mm - go to "other moths" in the main site]




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