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[這いずり日記] 史上最低の旅。大分方面2019/2月

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抱えていた仕事がひと段落して、延ばしていた地方でのミーティングを行うことになった。最近のお気に入り、松本空港からの福岡往復便。とんぼ返りだと旅費が馬鹿馬鹿しいから、ついでに宇佐とか、豊後高田とか、地味なあたりで数日過ごしてから戻ろうかとひとりで計画を立てていたら、理事がその期間なら一緒に行ける。温泉行こ。と言う。

ああそれならばと早速計画を変更し、僕が仕事を終えた日の夜に理事はマイレージで福岡に飛び、博多駅近くのホテルで落ち合うことにした。翌日からレンタカーで、大分は大分でも、山の方の温泉で四泊定着。予約完了。準備万端。

しかし当日博多で合流した理事はどうも暗い。仕事で失敗した云々の愚痴はよくあることだからふんふんと聞くけれど、頭が痛いとか具合が悪いとか言い出すのでちょっと不安になる。夜中、なにやらうんうん唸っているので、顔に触れると明らかに熱があり、翌朝、駅前の医院にかからせると、インフルA型という診断が下された。即イナビル。まじかよ。

鼻水まみれの真っ赤な顔をして、今日からどうしようか、と聞いてくるが、ここで諦めるのも癪だし、この状態で公共交通というのもどうかと思われる。幸か不幸か宿は割安の離れ(と言えば聞こえがいいが、本館から離れて建っている東屋と言うべきもの)の貸し切り連泊だから、まぁ隔離小屋さ、ということにして、マスクやら、体温計やら、消毒薬やら、揃えるものは駅前で揃えて予定通り出発した。

見慣れない風景をたのしみつつ宿までだいたい三時間、着いてみると温泉大国らしく本格的な温泉だ。鄙びていていかにも質素なのも良い。病人は部屋から出さないようにして、とにかくひとりで風呂に入る。うーむひさしぶり。ローシーズンで貸し切りというのも好都合。熱が下がらない理事も、食欲はあって、これも好都合。ただ連日、天気は悪くて思いのほか寒い。

部屋の掃除などは遠慮してもらい、天候の機嫌を伺いながら、鳥を見たり、近所の地味な史跡をまわったりしつつ。まぁ冴えない旅行ではあるけれど、あとはあの辺くらいまで行くことにして、理事が恢復し、僕が移されなければ、などと考えていたが、全く甘かった。三日後、理事の恢復に反比例するようにこんどは僕が発症したのだ。立場はきれいに逆転して、こちらがうなることになった。

ごろごろしているうちにもはや帰る日、相変わらず熱はあるが致し方ない。凍った車の窓ガラスに湯をかけて溶かし、福岡空港まで運転、そこから松本まで飛んで、あとは自分の車で小屋まで。マスクをしたまま、できるだけ呼吸をしないように(笑)、ものに触れないよう、人にうつさないように、おそるおそる帰った。当初福岡から羽田に戻る予定だった理事が予定変更(どうせ本人もインフル上がりだし)して同行してくれたのだけが救い。

病み上がった理事は以後なんだか妙に上機嫌だが、勘定してみると、僕は一日半だけ温泉に入って、半日だけ地味な観光をして、あとは看病して、唸って、苦しんで、という、今まででも最悪の旅行だった。自然風土もちょっと荒れていて伐りっぱなしの荒れ地が多く、鳥相も感心するものはなし。イカルとツグミが混群を形成しているのだけ、見たことがなかったので新鮮だったけど。

ともかく、僕は今日からやっと起きだした。理事は、(寒いから)赤い顔をして、元気に薪拾いに精を出している。

以下、気合いの入らない写真群。

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↓社叢というか社寺林は立派なんだけど。
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↓普通の場所は良くてこんな。
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↓で寺社に戻る
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↓帰りの飛行機の窓から。槍ケ岳
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[写真撮影 : 2019/02 - 大分県、一部山口県] [photo data : 02/2019 - Yamaguchi & Oita]
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