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[這いずり日記] 季節の終わり〜長野方面 2016/夏その1

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雨がよく降るのでぼやけているけれど、今まで登り坂だった季節が巡航に入った。峠を越えて、ひとつの季節の終わり。

季節が終わって、サンコウチョウは去った。キビタキもセンダイムシクイも、前ほど囀らなくなった。吸血アブが出てきた。クワガタが出てきた。ヒョウモンが出てきた。「花の季節」もだいたい終わったといって差し支えない。変わらないのは、夏の林を支えるクロツグミの歌声くらい。

下の村のひとが小屋のまわりのフキを刈ったので、かわりに収穫したてのほうれん草を持ってきてくれた。「まさかセロリは食べてないだろうなあ」とか言う。聞くと、出荷用の野菜には農薬を使用するが、とりわけ虫がつきやすく、厳しく「消毒」するのはセロリ、次いでキャベツ。なかでもセロリが大変で、農家は「肝炎になる」とか「手が腫れる」とか。自分たちで食べる分は別途作るが「消毒」しないと大きさが半分くらいにしかならないらしい。以前よりは野菜や農薬に対する消費者の理解が進んで、多少虫食いでも売れるようになったが、それでもきれいなセロリは「やめた方がいいだ」とのこと。肝に銘じます。

今回は、
今までなら[母]+[娘]+[息子]+[僕]+[理事] というチームになるはずが、[娘] は異国の就職活動で参加できず。[理事]は仕事。というわけで、変則の三人編成。気の置けないメンバーとはいえ、ほったらかしてひとり自然観察というわけにもいかず、よく降る雨とあいまって、生き物の確認はあまりできなかった。

子供対策もかねて山の湖に行ってみると、ローシーズンだけにゴーストタウンみたいになっていたが、観光客も喧騒もなくて、静かで望外に良かった。帰り際に空や雲がたいへんきれいで、割合掘り出しものだった、などと感想をいいつつ車を飛ばしていると、国道を、キツネが、
ネズミが、ダメ押し点のように次々に横切る。たまには変わったこともしてみるものだな、とか思うのだった。

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田んぼにウマビルがいた。
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先週死んだ犬の骨を運んで、本来の買主である親の墓に入れた。


[写真撮影 : 2016/06 - 長野県] [photo data : 06/2016 - Nagano]
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