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[更新情報] 2010年に撮影した半翅類その2/2

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個人的博物館本館を更新しました。今回の対象は、2010年に撮影した昆虫の写真のうち、カメムシ、セミ、ヨコバイ、アメンボなどの半翅類のもの、第二回、了。We have updated our main museum. Addition includes hemiptera (insects) photos taken in 2010 (2/2).

フルリストは、愛媛の高縄山で撮影したハサミツノカメムシ、セアカツノカメムシ、ヒメチャバネアオカメムシ、不明のカメムシ幼虫、ヒグラシ、シロオビアワフキ。東京のオオモンシロナガカメムシとツクツクボウシ。それからフランスのカメムシ5種、アメンボ3枚。愛媛のクマゼミ。台灣墾丁のマルウンカ類。徳島のヒメジュウジナガカメムシ。

いつもカメラは持って歩いているが、どういうわけかフランスでは半翅類の写真はエクラン山群の三日間に集中している。エクランと言っても知らない人が多いと思うが、最高峰のバールデゼクランは 4102m、3000m後半の高峰がきら星のように並ぶアルプス北側の大きな山塊だ。これでも一応元山岳部で、エクランの登攀の本なども読んだことがあり、
久々にフランスに行くならば、ぜひそのエクランに行こう、と決めていたのだ。

さすがに氷河や岩壁の登攀というわけにはいかないが、一般向きのルートを選んで、2500m位まで上ることにした。アルプス全般に言えることだが、谷が深くて、麓から上って行くと傾斜がきつくて登りがつらい。しかも一山二山越さないと、奥の山は拝観させてもらえない。メジャーな場所ならロープウェイがかかっていたりしてラクチンに景色を楽しめるが、もちろんエクランにはそんなものはない。ひたすら一歩一歩、覚悟を決めて上って行く。

二人とも運動不足の割には、案外すんなりと目的の氷河湖についた、ところまでは良かったのだが、天気は雨模様で、鳥獣にも元気がなく、仕方ない、下ろうか、と下り始めると、理事が不調なので困った。斜面が谷底まですとーん、と切り落ちているので、下を見て歩くと足がすくんで吐き気がするらしい。「私は高所恐怖症になりました。」と宣言して、岩に横たわり茫然と空を見ている。こちらも呆然として濡れながら突っ立っていたが、まぁ後は休み休み、ごまかしごまかし、何とか宿まで下りついた。

以後旅行中、アルプスの険しい山道を車で走るたびに、助手席で再発するのがまた困ったが、ともあれ、この旅以来あまり傾斜のきついところには行っていないので、高所恐怖症の現状は不明である。

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[写真撮影 : 2010/08 - エクラン山群、フランス] [photo data : 08/2010 - Massif des Ecrins, France]
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