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ヤマカガシ - Tiger Keelback - Rhabdophis tigrinus

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晴れ間がのぞいたので、すぐそこまで、何かでも出ていないかと、カメラを手に、サンダルをつっかけて歩き出したら、視界の端に見慣れないものが入ったことに気付いた。

かなりヘンなものであるということはすぐ意識したが、何か判るまで一秒くらいかかった。ヘビ。それも立派な奴。冬の暖房用に理事が拾ってきて積んである木材の上に、絡まるようにごろん、と乗っている。太い。地上約70-80cm。

目にしていたのはアートな赤い斑点のあるビール瓶のような腹で、まずは顔はどこだ、と探す。あったあった、昔のロッカーみたいに邪悪なメイクをした、黄色い顔。ああヤマカガシ。

昔を知る人に聞くと、数十年前は蛇が多くて、草刈をするだけでうようよとマムシが這い出たとか言うが、現在は寂しいくらいに蛇はすくない。目にする機会が多い順に、シマヘビ、マムシ、ヤマカガシ、ジムグリがいるのは判っているが、一番ポピュラーなシマヘビにしても、年に二回くらいしか見ない。ヤマカガシだって、ここ数年でこれが二回目だ。

太い腹から察するに、たぶん今回は
カエルかなにかを食べた直後で、それが良かった。僕には気付き、「えー?」という顔で、首をもたげたり、舌のアンテナを伸ばしたりするが、基本、太い腹をかかえて(かかえてはいないが)動かない。だから、驚かさないように配慮しつつ、しっかりと撮影して、さっさと切り上げた。

でもって、蝶の写真を撮って戻ってくると、もう消えていた。達者でな。

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↓上の写真を拡大してみる。邪悪なメイクもよいけど、使い込んだ真鍮板のような眼がすごい。一体どういう仕組みなのだろう。
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↓太くなった腹のところ。このデコボコが、ヤマカガシ一族の証。
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↓少し尾に近い方。ここもブラスっぽいな。
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↓今回いちばん気に入っている写真。掛け軸にしたいくらい(笑)
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[写真撮影 : 2021/07 - 長野県 - ナミヘビ科 - 約100cm - 個人的博物館のヘビのページ ]
[photo data : 07/2021 - Nagano, Japan - Colubridae - about100cm - visit the page “Snakes and allies” of the main museum]
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