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ギアナコビトイルカ - Guiana Dolphin - Sotalia guianensis

スリナムの首都パラマリボから、ボートを一隻チャーターして、川から半自然の運河を辿り、少し離れた干潟の方へ遠足としゃれこんだのである。

カワセミだ、ショウジョウトキ(全身朱色のトキ)だ、シギチドリだ、と楽しい一日を終え、夕刻、干潟から運河、運河から川、と来た通りに戻って港を目指した。鳥仙人は、この辺では運が良ければカワイルカが見られる、とか言っていたけれど、結構舟通りも多いし、どうせまぁ、出ないんだろうなあ、とかたかをくくりつつ、おいイルカはどうしたイルカは?と聞くと、まぁ待て、と言って船頭に何か伝える。やがて、ボートはポンポンポンポン、と速度を落としてプカプカ川に浮かぶばかりになった。

川と言っても大河だ。河口も近いから、川幅だけで一キロ以上ある。時折、速いの、遅いの、大きいの、小さいの、いろんなボートが横を通りすぎていく。基本陽気な国民性だから、皆サムアップしたり、ヤッホーとか手を振って通り過ぎていく。ほんとに出るんかな?わざわざ止まるくらいだから、確率はあるのかも知れない。

などと少しは期待がふくらみつつ、右を見たり、左を見たり、あの辺かも知れない、いやあっちだ、とか理事とやっていると、ほどなく、お待たせー、と言わんばかりに、じゃぽーん、じゃぽーん、と飛んで出てきたのだった。カワイルカではなくてイルカ。何頭かでチームを組んでいるようだ。舟が流れに翻弄されてくるくる回っているということもあるが、あっちで出て、こっちで出て、まさに神出鬼没。これは面白い。

残念なことは、この連中は神出鬼没すぎるのと、あまりにもスピーディーなのだった。あっち!と言われて振り返り、カメラを構えるともう水中に沈んでいる。うまく背びれを捉えても、そのまま水中に没する。酷使3週間、夕方の光、AF に小故障を抱えたレンズではハードルが高い被写体だった。次は、次は、とトライしていたのだが、段々(たぶん)先方も飽きてきて、もう出なくなった。一日の終わり。そしてこの旅の終わり。

と言い訳をしてから、辛うじて撮れたものを何枚か。







[写真撮影 : 09/2017 - スリナム - 約2m内外 - 個人的博物館の海洋・海岸の哺乳類のページへ]
[photo data : 09/2017 - Suriname - about 2m L - go to "
Mammals found in Sea & Seashore" in the main site]


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