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ツマグロキンバエ - A blowfly - Stomorhina obsoleta

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抱えていた仕事の一つがやっと片づいた。少し平常に戻って、双翅類の口吻の形態の研究そのニ、ツマグロキンバエ。


こいつは二月の南北大東島にたくさんいて、撮影の練習につきあってもらった虫だ。日光を浴びつつ、花上での摂食活動に淫するあまりか、活発には動かないので練習には最適であった。キンバエ、そう金蝿なのではあるが、目の模様もおしゃれだし、もっぱら草花の上に集っていて、あまりキンバエ、という印象はない。むしろハナアブか、と一瞬思うくらいだが、集い方が違うし、写真の通り口吻はずいぶん違う。

大東島から帰って忘れないうちに同定だけ済ませてそのままにしていたが、先日八ヶ岳の山麓に行って、散歩がてら池の横の土手を歩いていたらこれが居る。暑いところ、涼しいところ、ずいぶん環境が違うのだから近縁種かとも疑ったが、どうも同じ種類のようだ。

大東島で親しんでいなかったら多分素通りしたのではないか、という位の、小さな、遠めには地味な蝿だけれど、近寄ればやはりあのカッコいい複眼ストライプは健在であった。アーム折り畳み式の口吻も相変わらずすばらしい。一本目と六本目が色違いのストライプを見ながら、昔の冷や麦みたいだなぁ、などと見当違いの感想を抱きつつ、シャッターを切った。アカツメクサの赤のバックグラウンドが、ちょっと新鮮だった。

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[写真撮影 : 上の二枚は 2012/02 北大東島、下の一枚は 2012/06 山梨県北杜市 - 7mm - クロバエ科 - 個人的博物館本館のハエ・アブのなかまのページへ]
[photo data : first 2 photos were taken at Kita Daito Isl. in 02/2012, the last one at Yamanashi, Japan in 06/2012 - Calliphoridae - abt. 7mm L - - visit “
True Flies, Robber Flies and Tabanid Flies” (main museum site)]
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