pmnh wildlife portrait archive : insects

オビキンバエ - Oriental Latrine Fly - Chrysomya megacephala

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他部門の同時上映中をきれいどころに切り替えたので、昆虫部門には晴れて金蝿を登場させることにした。ちょっと嬉しい。


金蝿というと、どうしても、糞、死体、と連想が進むが、この撮影をしたのは北大東島、ジャスミンの木が並んで植えてあるところで、むせ返るような香りのなか、満開の花に紛れて、あちこちにハエが憩っている、という面白い場所だった。

複眼が離れているのが雌で、くっついているのが雄。よく見ると複眼の構成パターンもかなり違っていて、雄の方が複雑だ。物の本によると、交尾中に後ろに回る雄には前方と雌の姿と両方を効率的に視界に収める必要があるために複眼がくっついている、とあるが、なるほど、と思う一方、僕には本当かどうかわからない。

個人的には最近、複眼と並んで興味津々なのが、双翅類の口だ。この写真でも、雄、雌、ともに、ぽっかりと口のところに穴が開いているのが分かる。SF ならば母艦のここから小型の戦闘機が飛びだしてくるところだが、ハエの場合は格納されていた口吻がここからニュッと出てくる。

そこから先は種類によってずいぶん違うが、折り畳み式の大きな口吻が出てくることも多い。先日山口・蓋井島の山の中で対峙したハエなどは、口のところから乳白色の液体を出して遊んでいた。粘度が高いのか、子供が風船ガムで遊ぶように、ぷうっと膨らましてはまたすっと吸い上げる。あんまり面白かったから、10分くらいそのハエとお見合いをして観察していたが、先方も飽きることなくこちらを見ながら液体を出したり引っ込めたりしていた。お互い、結構ヒマそうだ。

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[写真撮影 : 2012/02 - 北大東島 - クロバエ科 - 10mm - 個人的博物館本館のハエ・アブのなかまのページへ]
[photo data : 02/2012 - Kita Daitô (North Borodino) Island, Japan - Calliphoridae - abt. 10mm L - visit “
True Flies, Robber Flies and Tabanid Flies” (main museum site)]
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