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タイワンツチイナゴ - Bombay Locust - Patanga succincta

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天真爛漫に生き物の写真を撮っているように見えるかも知れないが、それなりに試行錯誤や紆余曲折があるのであって、実は昆虫をどう撮ってどう仕上げるか、このところずっと迷っていた。


写真の宿命でもあるが、撮影者がこう撮ると決めても、機材の方でついてこられないこともある。かと言って機材に縛られ過ぎると、自分の観察や撮影のスタイルそのものに影響を及ぼすことになるが、それは基本の一線として譲れない。そんなこんなで、あちらを立てればこちらが立たず。もやもやした気分のままウィンターブレークに突入していたが、ささいな技術的発見と、何より心中決心の如きものがあり、ようやく方針が固まった。具体的に言うと、しばらくは虫は顔のドアップの写真が増えることになる。

で、大東島はその実地試験の場だったのだが、結果として実験は成功。技術的にメドが立って気分は晴れ晴れである。人っ子ひとり居ない北大東島のサトウキビ畑の裏の潅木林で、体長1cmのアワフキ[*]の複眼の、表面の凸凹をきちんと撮影できて、思わず快哉の雄叫びをあげたのは、僕とアワフキの二人の秘密だ。

当然アワフキの写真でその門出を祝うべきなのであるが、ナニアワフキなのかまだ調査が追いつかなくて、よくわからない。写真として質の良いのは双翅類のものだが、これも一部を除いてまだ科さえわからない。そこで残念だけれど、同定の必要がないツチイナゴの出番とする。南の島の畑に行くと、衝撃のピンク色で人を驚かせる、あのでかい奴だ。最近 Nomadacris succinctaに学名が変更になったという話もあるが、一応普及している Patanga succintaのままにしておく。

[*] 追記。アワフキではなかった。オサヨコバイ (Tartessus ferrugineus) と判明。あの顔はアワフキだと思ったのだが。

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[写真撮影 : 2012/02 - 北大東島 - 7cm - 個人的博物館本館のバッタのなかまのページへ]
[photo data : 02/2012 - Kita Daito Island - abt 7cm L - visit the main museum ("
grasshoppers and locusts")]
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