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ニホンリスその2 - Japanese Squirrel #2 - Sciurus lis

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暖かく晴れたし、さてひと歩きしてくるか、と着替えを済ませて窓から外を眺めると、なにか気配がする。


鳥かな、と思って見ていると、これがリスだ。いまは根雪になっていて食べ物に乏しいから、小屋のすぐ前のクルミの木まで様子を見に来たのだろう。それに、クルミの木のさらに横は、雪かきしてあるし。

リス君(たち)は、だいたい小屋の正面の林にいる。三賢人とか呼んでいる三本檜の辺が中心だが、小屋の辺にもよくやって来る。油断すると網戸を上っていたり、坐っているとすぐ横をすりぬけて走っていったりする。油断しているのか、確信犯なのか、それはわからないが、あまり嫌われていないことは確かだ。

昨秋、色々な実がなってリスの書き入れ時には、二匹のところにもう一匹やって来て、派手に争っていた。その辺がどう結末を迎えたのかわからないが、いまこうやってクルミの木に来るのは一匹だ。

腹を空かしてここまで遠征に来たものを、いきなり外に出て蹴散らすのも気が引けるからと、しばらく様子を見ていると、雪かきした落葉の中から無事にクルミの実を一つ取り出して、さっとクルミの木をのぼり、高さ1mくらいのところの潅木をうまく椅子にして、掴んだ木の実をコリコリと削り出した。しっかり保護色である。

見ていると、コリコリコリコリ、と15秒くらい削って、そこで硬直したように止まる。何かあったのか?とはらはらしていると、はっと気づいたようにまたコリコリが始まり、そしてまた止まる。眩暈でもしているのではないか?あるいは歯でも悪いのか?とまた心配するとまた通電したようにコリコリし出す。まぁ普段の走り方を見ても、リスはこういう、壊れかけの玩具のようなスイッチの入り方をするのかもしれない。

色々観察できたのは良かったが、結局クルミの実を割って食べ終わるまで、通電して、停止して、通電して、都合一時間くらいかかった。二時に出かける予定が、もう三時。予定が大きく狂ったけれど、まぁそれはやむを得ない。目的地を変更することにする。

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↑落とした殻を下りてから検分しているところ

一回目はこちら


[写真撮影 : 2024/02 - 長野県 - 約20cm - 個人的博物館本館の齧歯類のページへ]
[photo data : 02/2024 - Nagano, Japan - abt.20cm - go to "
Rodents" in the main site]



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