アシブトハエトリ(台湾産) - A Jumping Spider - Pancorius crassipes
05/03/13 02:42 category:arachnids
久しぶりにハエトリを一匹。ただし同定には全然自信がない。
どのように自信がないかと言うと、このクモが台湾で「粗腳條斑蠅虎」あるいは「粗腳盤蛛」と呼ばれているクモであることはほぼ確かだ。そして、台湾ではこのクモの学名は Pancorius crassipes (Karsch 1881) ということになっているようだ(以前はマミジロハエトリ属 Evarcha だったが転属された)。
一方、Pancorius crassipesと言えば、日本ではアシブトハエトリの学名となるが、「アシ」の太さ、配色や紋様は相当異なる。図鑑を見ると「旧北区に広く分布」とあるが分布や亜種変異についてそれ以上の情報はあまりない。ややこしいのは(旧北区ではない)香港で撮影されたこのクモの写真がネットにも多く上がっていて、そのグラフィックが、むしろ日本のものにずいぶん近いことだ。
僕より早くこの踏み跡に到達し、この辺の事情に困惑した先行者もいて、このページ
http://nc.kl.edu.tw/bbs/showthread.php?t=9598
を読むと、Jay さんという人が「台湾の図鑑からこの蜘蛛を同定し、その学名からネットで検索をかけると海外の画像が違うのはなぜか」と疑問を呈しているが、コメントがついていない。
一方台湾で撮影された写真でも、日本のアシブトハエトリみたいなものもある。例えば
http://www.flickr.com/photos/60325150@N07/7159871733/
は台北の福州山で撮影したもの。同じ人が烏來の福山植物園でこれ
http://www.flickr.com/photos/60325150@N07/7759018186/
を撮っていて、いずれも「待確認」としつつ、同じ種類に同定している。
とは言えクモの同定は見た目や形態を手がかりとしつつ、最終的には実体顕微鏡で生殖器を観察して行うので、専門家がこのクモが Pancorius crassipes であるというのならそれは尊重するしかない。ということで、このエントリーのタイトルは「アシブトハエトリ」となるのだが、何となく釈然としない気持ちも残るのだ。
[2009/11 - 台灣・台東縣 - 個人的博物館本館のハエトリグモのなかまのページへ]
[11/2009 - Taitung Province, Taiwan - visit the main museum ("Jumping Spiders")]
一方、Pancorius crassipesと言えば、日本ではアシブトハエトリの学名となるが、「アシ」の太さ、配色や紋様は相当異なる。図鑑を見ると「旧北区に広く分布」とあるが分布や亜種変異についてそれ以上の情報はあまりない。ややこしいのは(旧北区ではない)香港で撮影されたこのクモの写真がネットにも多く上がっていて、そのグラフィックが、むしろ日本のものにずいぶん近いことだ。
僕より早くこの踏み跡に到達し、この辺の事情に困惑した先行者もいて、このページ
http://nc.kl.edu.tw/bbs/showthread.php?t=9598
を読むと、Jay さんという人が「台湾の図鑑からこの蜘蛛を同定し、その学名からネットで検索をかけると海外の画像が違うのはなぜか」と疑問を呈しているが、コメントがついていない。
一方台湾で撮影された写真でも、日本のアシブトハエトリみたいなものもある。例えば
http://www.flickr.com/photos/60325150@N07/7159871733/
は台北の福州山で撮影したもの。同じ人が烏來の福山植物園でこれ
http://www.flickr.com/photos/60325150@N07/7759018186/
を撮っていて、いずれも「待確認」としつつ、同じ種類に同定している。
とは言えクモの同定は見た目や形態を手がかりとしつつ、最終的には実体顕微鏡で生殖器を観察して行うので、専門家がこのクモが Pancorius crassipes であるというのならそれは尊重するしかない。ということで、このエントリーのタイトルは「アシブトハエトリ」となるのだが、何となく釈然としない気持ちも残るのだ。
[2009/11 - 台灣・台東縣 - 個人的博物館本館のハエトリグモのなかまのページへ]
[11/2009 - Taitung Province, Taiwan - visit the main museum ("Jumping Spiders")]
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