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ウスバサイシン - 'Usuba Saishin' Wild Ginger - Asarum sieboldii

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小屋のある地方は昔、ヒメギフチョウがたくさん飛んでいたらしい。そして、今でも時々小屋の周りに姿を認めることがある。そして、今どきまだ網を持って振り回すアナクロの連中の姿も見る。

ウスバサイシンはヒメギフチョウの食草なのだから、細々とは言えヒメギフチョウが未だ棲息するこの地域にも生えている、ことは間違いない。だけど、この植物は見つけにくいのだ。ちょうど今の季節に花も咲かせるが、暗色で目立たない花を、地面すれすれに出す。この三年ほど、毎年この季節に、ウスバサイシンはないかな?ないかな?と探していたのだが、とうとう見つからなかった。で、今年は諦めてミッションを理事にアウトソースすることにした。

理事は目が地面に近いせいか、鼻が利くせいか、植物を見つけ出す才能がある。先日散歩の前に、かくかくしかじか、こういう植物があって今ごろ咲いている筈なのだけど見つからないのだ、と説明し、一緒に散歩に出かけた。林の中の道や水路を辿って一時間ほど。僕が咲きかけのイチリンソウの写真を撮っていると、5mくらい先で「あった」というではないか。「ってえー!? フキとかじゃないの?ちゃんと見ろよ」というと「花も咲いています」というので降参した。確かに四株、絶讃開花中。勝ち誇る理事の足許にひれ伏して、ちっこい花を写す。昔のバーみたいな(知らんけど)ダークレッドの個室に、灯りとりの白窓からぼんやり光が差し込んでちょっとすてき。

理事はそのうちトリュフでも見つけてくれるかもしれない。

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写真撮影: 2024/05 - 長野県 - 萼筒径約10mm - 高さ約20cm - 個人的博物館本館の「コショウ・ドクダミのページ(コショウ目)」へ]
[photo data : 05/2024 - Nagano, Japan - flower diameter abt. 10mm - height 20cm or so - go to "
plants & fungi" in the main site]



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