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ケヤキその2 - Japanese Zelkova #2 - Zelkova serrata

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最近、博物館の植物のページを再編成したが、その作業に着手したあたりから、必然、展示物の分類と収集に熱中している。

今まであまり熱心に植物の写真を撮ってきたわけではないが、それでも15年分くらい、全く手付かずの写真の山があるし、何より、鳥や獣と違って、一歩家を出た瞬間から、未収集の素材が溢れているという事実が、気持ちを前向きにさせる(笑)。まこと、年寄り予備軍の題材として持ってこい。

そんなにたくさんあるものを、際限なく撮っていたら時間がいくらあっても足りないので、だいたい、気になったもの、気を止めたもの、最近よく使う表現では「目が合ったもの」を優先して撮るわけだが、そうすると勢い、花が多くなる。それはそれで全然構わないが、さてそれを分類していく段階で、これは木の写真がすくないと気づいた。

木の分類は僕のような面倒くさがりには難しい。今まで真面目に見てきてなかったのだから、ますます難しい。理事に聞いたり、先達に聞いたり、AIに聞いたりして知識を入れていたが、よく考えれば、近隣にも巨木名木とされている立派な木があちこちに立っていることに思い当たった。名木だけに見ごたえは保証付きだし、生えている場所は調べられるし、何より立て札が立っていたりして、同定の手間が省ける(笑)。

そういうわけで、夏になって暇な日は近所の巨木名木巡りを実行しているのだが、そうすると、何をさておきまずケヤキだ。太いの古いの凄いの、息を呑むようなものがあちこちに立っている。針葉樹は針葉樹の一途さがよいけれども、ケヤキの迫力、木肌のなまめかしさ、樹形の均斉にはいつも驚かされる。

今回は、甲州街道御射山神戸の一里塚のケヤキ。恐らく元は二本、折れたり朽ちたりした部分がなく、放射するような生命力を全身で表現している。それが一里塚の土饅頭をがっしりと掴むように屹立した独立木なので、見上げれば他の木の邪魔もなく、ケヤキのケヤキたる所以をいつまでも鑑賞できる。もっと凄惨なケヤキも妖美なケヤキもあるけれど、やはりまずこれかな、と。

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↑これは向かい側、東塚の少し若いケヤキ。先代のエノキが明治の始めに枯れたということだから、その後に伸びたとして樹齢140-150歳くらい?

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そう言えば新婚当時、よく夫婦で北関東のマイナーな古墳巡りをしていたのを思い出した。たぶん少し似た行為なのだと思う。当時はウェブサイトもGoogle Map もなかったので、地形図や文献を手だてに探る探検要素があった。

一回目、我が家のケヤキはこちら


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写真撮影: 2024/08 - 長野県 - 樹高約25m/幹囲約7m - 個人的博物館本館の「バラ・サクラ・ケヤキ・イラクサのページ(バラ目)」へ]
[photo data : 08/2024 - Nagano, Japan - height 25m/circumference 7m - go to "
plants & fungi" in the main site]


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