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オヤマボクチ - A Thistle - Synurus pungens

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ひと月ほど前から、時々通る山の水路の斜面に、異様というか、奇怪というか、直径5cm ほどの、サーキュレータみたいな形をしたトゲトゲの丸い玉がいくつもぶらさがって、こちらを見ている。

まぁ間違いなく蕾だとして、一体どんな花を咲かせるのか、楽しみにしていたが、やっと咲き出したようだ。それがまた地味。咲いているのか、まだなのか、いや実はもう盛りを過ぎているものか、今一つ判然としないけれど、まぁ様子から見ると、いま少しずつ咲き出した、あたりかと思われる。

当然虫の皆さんにも大人気で、大きなハート型の葉が穴だらけなのはもちろん、花にも(写真にも写っている)アカアシアスミカメなどの姿が見える。クモの皆さんもちゃっかり出店しているから、トゲトゲを縛りつけているように見える繊維はクモの糸かと思ったのだが、そうではなくて、クモ毛という名前がついているものの、植物に由来するらしい。とは言え花から花に渡る糸も見えるから、場所によっては混ざってるのだと思う。

調べたらオヤマボクチという、また味わいのある名前がついていた。地域名のネンネンボウとかゴンボッパとかいうのもそれぞれによい。そういう名前がつくということは利用されてきたということで、根を食べる、若葉を食べる、葉の繊維を蕎麦のつなぎにする、など山では有名なもののようだ。

ボクチの語源になっている、火起こし材としての利用だけれど、これは、葉の裏の毛を使った説、葉の繊維を使った説と、そのクモ毛を集めて使ったという説と、いくつかあった。全部真実かも知れないけど、量を集めるなら葉を乾燥させた方が早いかもしれない。

改めてみてみると、近縁であるアザミの大叔父、という風情がある。

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[写真撮影: 2020/08-09 - 長野県 -草丈約100-150cm - 花径約50mm 個人的博物館本館の「植物・菌類のページ」へ]
[photo data : 08-09/2020 - Nagano, Japan - height 100-150cm- - flower dia. abt. 50mm - go to "
plants & fungi" in the main site]
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