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イタドリ - Japanese knotweed - Fallopia japonica

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イタドリには軽量鉄骨というか、プレハブというか、とにかく現代的な簡素な構造物を思わせるものがある。

ひょろひょろと高いのでもなくて、がっしりと低いのでもなくて、ちょうどスケール感や縦横比が五階建てのビルみたいな感じの堅牢な構造物を、荒れた土地に短時間で作り上げる。粗密の塩梅が絶妙で、効率の計算が正確だ。だからイタドリが生えたところは、畳一畳、二畳、四角い、立体的なイタドリ構造物が空間を占拠し、ほかの植物にゆるされる隙間はあまりない。

目立つし、大きいし、すばやいから、だいたい人間による草刈では真っ先に刈られる。理事でさえ、時々チョキチョキと道の脇のイタドリのビルを二つ三つ解体することがある。「だってこっち側の草に光が当たらないんだもん」とか言う。もちろん間に合えば、草刈あとの土地にもまたイタドリが真っ先に茎を伸ばす。

でも、イタドリのビルは、平らな葉っぱが水平にたくさんつくから、
ハチ甲虫、見ていると陽を浴びてよく虫が葉の上で休んでいる。もちろん葉を食べている奴もいる。虫の観点では、マンションというよりはコミュニティスペースといった趣がある。

そのイタドリに、今、花がようやく付いた。主流派は白だが、時々紅いものがあり、また混ざったものもある。紅いものはベニイタドリ、或いはメイゲツソウという亜種である、と Wikipedia に書いてあるが、結構ごちゃごちゃになっている。尤も、地元の植物誌を参照するとベニイタドリは山麓地域には生えないことになっているし、この辺のものは紅くても色が薄いから、もっと複雑な事情があるのかもしれない。ただその辺は、あまり興味がない。

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写真撮影: 2020/07-08 - 長野県 - 花径約<1cm - 高さ約100-120cm - 個人的博物館本館の「植物・菌類のページ」へ]
[photo data : 07/2020-08/2020 - Nagano, Japan - flower diameter <10mm - height 100-120cm or so - go to "
plants & fungi" in the main site]
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