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コケイラン - 'Kokeiran' Orchid - Oreorchis patens

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春たけなわという五月と、夏らしい夏の始まる七月にはさまれて、雨ばかり降っている六月は地味だけれど、生き物の息遣いは今時分がいちばん濃厚に感じられるのは確かなことだ。

だいたい鳥も営巣は終わって、今は子育ての季節。歩いているだけでキビタキだのモズだのが、ブキブキだのギチギチだの子供に危険を知らせながらつきまとってきてちょっと鬱陶しい(笑)。他の月にはほとんど気配をあらわさないサンコウチョウやアカショウビンの消息が知れるのも今時分ならでは。

そして地面はこれでもかという位に、葉や草が茂っている。七月になると惰性が感じられ、八月となると地面に隙間が目立つようになってくることを考えると、上下左右、日の光を求めて密生する薮のむっとするような匂いもちょっと愛おしい。

とにかく早い者勝ちという様相のある春の花と違って、今時分の花は、ひと工夫しているものが多い。カモシカに挨拶したりしながら、斜面の道を降りてゆくと、変な植物に目が留まった。最初は何か枯れた草かな、と思ったが、しゃがんでのぞき込むと、この上なく地味だけれど、これがランだ。

資料によるとこの地域にはラン科の植物が50種類ほど棲息している(いた)はずなのだが、まだこのコケイランで四種類目。嬉しいことに、道はまだ長い。ま、絶滅寸前で ICU に入ってるようなのもいるし、ひっそりと姿を消したのもいるだろうけど。

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写真撮影: 2019/06 - 長野県 - 花径約1cm - 高さ約40cm - 個人的博物館本館の「ラン・アヤメ・ヒガンバナのなかま(キジカクシ目)のページ」へ]
[photo data : 05/2019 - Nagano, Japan - flower diameter approx 1cm - height 40cm or so - go to "
plants & fungi" in the main site]
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