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ハチクマ - Oriental Honey Buzzard - Pernis ptilorhyncus

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ご他聞に漏れず、この寒冷な地でもスズメバチが増えている。九州に上陸したような凶悪なものはいないけれど、それでもとうとうオオスズメバチまでブンブン飛んできて、窓にさえがんがんぶつかってくるのには困る。

オオスズメバチはでかい。ちょうど犬の糞が飛んでいるような感じだ。平静につとめてやり過ごそうとしても、どうしても腰が引けてしまうし、そもそも向こうが喧嘩腰だ。先日など、小屋の外に出てヒゲをちょきちょきハサミで切っていたら、ブイブイ飛んでくるなり、オラオラどけどけ!と平和主義者の僕にまで威嚇して来るのだ。うへー、と退却すると、何のことはない、人間を追い払った後で、僕が切り落としたヒゲが食べられるものかゆっくりと検分している。地元の人も困っていて、オオスズメバチは数年前まではここにはいなかっただ、チャイロも最近のことだ。と言う。

理事は追っ払ってくれ、というが、そんな簡単に追っ払えるのなら苦労はしない。天敵はいないのか、と聞くので、それはハチクマ様にお越しいただくしかない、と答える。しかしハチクマ様はどこにいるのか、と聞かれて答えに窮する。多い鳥ではないが、いないわけではないのだ。時々林の上をさーっと飛んで行く姿を見かけるし、昨秋、登山をした時は、山頂についた僕を、ご苦労さんと言わんばかりに上空から出迎えたのもハチクマだった。でも、さあ、どこにいるのだろう。

梅雨の間の雨のはざまの日、ため池まで理事とトンボを見にいった。クロスジギンヤンマが出ていて、写真も撮れて、ゆっくりできて、クロツグミもよく啼いて、まぁよい日だったね、などと語らいつつ、流れを渡り、薮を抜けて、山の斜面を、いつものけもの道を降って、小屋の裏の原っぱに出ると、原っぱの真ん中のヒノキの木のてっぺんに、夕陽を背負って、大きな鳥が止まってこちらを見ているのに気づいた。見慣れないねずみ色の顔、赤黒い目玉、あ、これは驚いたハチクマ様!呼んだのはお前か、とか言わんばかり。

ということでどうぞよろしくお願いします。

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[写真撮影 : 2017/6 - 長野県 - 体長約60cm - 個人的博物館本館のワシ・タカのなかまのページへ]
[Photo Data : 06/2017 - Nagano, Japan - about 65-70cm L - visit the main museum (Hawks, Eagles and other Hawk-like birds)]
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