[travelog - 這いずり日記:299203Z] 米国アリゾナ州南東部 2008/晩夏昨夏のガボンが今一つしっくりこなかったこともあって、今夏は基本に立ち戻り、自分で調べ、計画し、運転し、歩く、という形にこだわりたかった。ということでアメリカの隅っこ・アリゾナ州の南東辺縁部である。乾燥した平原ににょきにょきと岩峰が立ち並び、生態系的にはメキシコからの渡り鳥と、南北アメリカを行き来する鳥と、あと山の鳥、砂漠の鳥が出会うという、ちょっと妙な場所なのだが、この妙な場所は砂漠で熱せられた熱い空気と、太平洋からの湿った空気が出あう場所でもあって、七月八月はカミナリが凄いのであった。
山道を歩くと、あまりにも頻繁に黒焦げの樹木に出くわす。雲が湧くと同時にゴロゴロの音が聞こえてくる。落雷の頻度が単に多いだけでなく、平原で見通しが良過ぎるために、稲妻があまりにもあからさまに目に入ってくるのも精神的につらいものがある。カミナリが町に来ている時(ちょくちょく来ているのだが)山から町を見下ろすと、稲妻というより町が
UFO
の総攻撃を食らっているような非現実的な眺望が展開している。山から駆け降りたり、小屋で小さくなったりしながらも、少しずつ慣れてきて、また、後半、多少は穏やかな地域に移動したこともあって、ゴロゴロが聞こえた時、これは危急を要するゴロゴロか、多少なりとも猶予があるゴロゴロか、ある程度は判断がつくようになってきた頃、三週間の旅は終わった。
この他にも、草むらでガラガラヘビにチャージされたり、それはそれなりにリスクはあったのだけど、やはり、恐怖がかすかな通低音のように流れる旅はよいと改めて思った。 [photo data : 09/2008, Portal, AZ, USA] Posted: Tue - September 9, 2008 at 01:01 PM | |
Quick Links
Calendar
Categories
Archives
XML/RSS Feed
About This Blog
個人的博物館の別館、肖像館です。ここでは野生生物の肖像をテーマとした写真を展示しています。撮影ポリシーなどは本館をご参照下さい。Personal Museum of Natural History's Annex, devoted to wildlife portrait photographs by n. takano.
Copyright
©nobuhisa takano. このサイトWildlife Portraits Blog内のコンテンツの著作権は留保しますが、写真画像に限りCreative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本 ライセンスに基き利用可能です。写真以外の利用や写真の商用利用・改変を行いたい場合は作者に連絡を取って下さい。All rights reserved. You may however use photograph image(s) displayed on this page subject to Creative Commons Attribution-Non-Commercial-No Derivative Works 2.1 Japan License. For details, contact the author.
Statistics
Total entries in this blog:
Total entries in this category: Published On: May 09, 2009 02:28 AM |