pmnh wildlife portrait archive : travelog

[這いずり日記] サンコウチョウ!〜長野方面 2016/初夏その4

1606ttzw3_6720_w
急なミーティングが入ったりして行ったり来たりの一週間。なにせアカショウビンが出るかと思うと多少の労苦はやむを得ない。寸暇を惜しんで、というと大げさだが、ともかくチャンスがあればせっせと山に入った。

そのアカショウビンは一回午後にやや遠くから啼く声を聞いただけだったが、意外なことに今度はサンコウチョウが出てきた。午後、小屋で仕事を片づけていると聞きなれない声がする。見ると小屋の前の木にサンコウチョウが止まっているのだ。これは驚いた。今年はどうなっているのか、そしてなぜ六月なのだろう。

kibisanko
確かに六月は案外鳥を見るのにはよい季節だ。葉は茂ってしまったけれど、次々と巣立ちの若鳥が出てくるので、やむを得ずに姿を現す鳥が多い。もちろんまだ懸命に虫を運ぶ親鳥、縄張りを守る親鳥もいるので、いろいろとにぎやか、騒々しい時期になっている。気配がいまひとつ不確かだった種類も、よく啼くので存在確認をする。とくに、ノジコを見るには一年でいちばんよい機会だ。(右写真はサンコウチョウのさん子と相変わらずのキビ太郎)

少し前まで美しかったり若々しかった草木の葉は、もうすっかりむさくるしい。親類のおばさんなら「ちょっと前まではかわいかったのに」などというレベル。ただその過剰に繁った混雑の中から、アヤメやオダマキが花を出し、目の高さではノイバラとウツギが最盛期だ。ハクウンボクとかエゴノキとか、近づくと香りがして、ハチのモーターハミングが地鳴りのような音を立てている木もある。

ことしはまだウラジャノメを見ないが、フタスジチョウなどのミスジが出てきて、
ウスバアゲハを置き換えている。あとはコガネムシ、カメムシ類が順調。道をあるいていると、草にしがみついている羽化したての蝉をよく見るのもこの季節だ。

サンコウチョウは翌日は声だけ届け、翌翌日は雨、翌翌翌日は僕が不在、だがその次の日、家の近くの林で元気な姿を見せた。尾の短い♀。わりと賑やかな鳥で、さほど神経質でもなく、生活レベルが木の中ほどだから、出てきてさえくれれば観察はしやすい。

1606ttzw3_6720
1606ttzw3_6690
1606ttzw3_1968
1606ttzw3_6622
1606ttzw3_6440
1606ttzw3_6683
1606ttzw3_6619
1606ttzw3_6338
1606ttzw3_19191606ttzw3_6698


[写真撮影 : 2016/06 - 長野県] [photo data : 06/2016 - Nagano]
[Sleeker_special_clear]