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[這いずり日記] 長野方面 2014/晩夏その1

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一旦東京に帰ったのだが、あまりの暑さに逃げ帰るように避難小屋に戻った。ちょうど仕上げなくてはならない仕事があり、一週間根を詰める。


盆を過ぎた山は、もう秋の香りがしている。何日か穏やかな日を経て、また山は雨。それも毎日。たまたま覗いたブログで、木曽の旅館の女将が「今年の天気は壊れている」「太陽を返して」などと叫んでいるのもよく気持ちがわかる。涼しいのはよいが、明け方はとうとう14度を切った。夏のはずなのに、背後に俵が迫っている気さえする。

そんなこんなで、生き物、特に鳥はまるっきり生気がない。数日前まで、ひまそうに目の前でぽっと止まっていたキビタキの家族が見えなくなった。そう言えば一月前まで、あそこの繁み、ここの繁みとにぎやかだったノジコも、もういない。ふてくされたキセキレイ、キツツキなどの留鳥だけが目立つ。そして、困ったことに、「日本の侵略的外来種ワースト100」ソウシチョウが川沿いに一羽。こんな南な鳥が、肌寒い山に。なぜ。

虫はまぁ、そこそこだ。夜、明かりをつけると、雨の日でなければ、多少の面子は集まってくる。珍しかったのは、ゲンゴロウではなかったガムシ。かぶと虫にも体格でさほど負けていない大きな水生昆虫だ。あとは蜂がたいへん多い。外で昼食をとっていると、ポリカの屋根を、スズメバチが悔しそうに「がし。がし。」と削っているのが面白い。

そういうわけで、いまの山は、一言で言えば、意気消沈。心のすき間を埋めるように、小さな花、大きな花があちこちでパラパラと咲き出した。鳥も出ないので、今年、やたらと実を落としてきたオニグルミを拾ってあく抜きをし、皮をむいて干した。

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[写真撮影 : 2014/08 - 長野県] [photo data : 08/2014 - Nagano]
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