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[這いずり日記] 長野方面 2014/冬その1

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日にちの工面がつかず、やっと三日だけ、ことし初めての山籠もり。


日中は0度を越えるか越えないか、夜は-7〜-12度というところなので、寒いは寒いけれど、冬とはいえ山の陽射しは強烈で、気温は氷点下でも日が当たると氷は融け、木の表面は手で触っても暖かいくらいに暖まる。でもそれは昼のほんの数時間の話で、あとは家にいても寒い。

それでも毎日毎日暗い雪の日が続いた昨年と比べて今年は天気がよい。積雪も今年は積もるようなのはわづかに一度、根雪にはなっているが、まぁ10cm〜20cm というところ。そのせいか、単なる気まぐれかわからないが、今年は楽しみにしていたオオマシコが来ていない。代わりに一度だけベニマシコを見たし、マヒワなどは去年よりずっと多いけれど、やはり喪失感の如きものがある。林の中の細流でミソサザイのつがいを見つけたりして気を慰める。

寒くて出歩く人も少ないから、
鹿は絶好調だ。林の中に縦横無尽と言えるくらいの鹿道のネットワークを構築し、夜間に活発に往来している。夜間ほどではないが、昼間も結構下りてきて小屋の近くで活動しているのに出会う。東京のハクビシン調査も途中なのだが、ここは決断してセンサーカメラは山の林に固定して下りてきた。

でも今回いちばん心に残ったのは小正月のどんど焼き。話には聞いていたのだがすっかり忘れていて、運良く立ち会えたのは本当に幸運だった。月夜の月に向かって、ヤグラの火、ダルマの焔がメラメラ、パチパチと赤く伸びていく。火の近くに立つと頬が焦げるくらいに熱い。東京で生まれ暮らしてきて、正月は餅を食って終わりのような、平板な行事のような感じがしていたが、今回の体験で、認識に奥行きが出来たような気がした。これは予期せぬ収穫。

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[写真撮影 : 2014/01 - 長野県] [photo data : 01/2014 - Nagano]
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