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[這いずり日記] 長野方面 2013/春その1

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例によって定点観測。もうコブシも散り加減で、桜の季節になったので、今回から早春を止めて「春」の第一回。


思ったほどの急速な芽吹きはないのだが、じわじわと、少しずつ緑色が増えてきた林の中、冬鳥は去って、センダイムシクイなど夏鳥の第一陣が到着。虫はまだまだだが、地面のコモリグモが目立つ。

それにしても里に下りると(というか山里に上がると)桜がすごい。ソメイヨシノも散り加減の並木道を自転車で走り抜けると花びらが顔に当たって気持ちよいが、こうして山里の桜をみると、同じ里桜でも、所詮ソメイヨシノなどチェーン店だと思い知らされる。

小ぎれいなチェーン店もどこでも同じものが簡単に食べられて便利だが、村のへり、山の斜面、川のほとりに一本ずつ、それぞれの容姿で勝手に咲いている昔からの桜は、ごつごつした幹、不格好な姿、うねうね・ごちゃごちゃと伸びる枝、赤い花、一本一本それぞれに毒々しくて、濃密で、そうとうあやしい。そもそもあの放埒な花のつけ方も、木としてはちょっと頭がおかしい感じがする。

昔の桜はヤマザクラだったというが、そのヤマザクラはまだ沈黙を決め込んでいて、硬い芽のまま、微動だにしていない。さあヤマザクラはどういう風に咲くのだろう。

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[写真撮影 : 2013/04 - 長野県] [photo data : 04/2013 - Nagano Pref.]
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