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[更新情報] 台湾・霧台の春の鳥その2

個人的博物館本館を更新しました。今回は、2008年3月の台湾南部・霧台の鳥その二、完結編です。


今回の更新リスト:カワビタキコシアカツバメ、クロガシラ、シロクロヒタキ、ミミジロチメドリメジロ、ミナミカンムリワシ、クロエリヒタキ、コシジロキンパラ、ニュウナイスズメ、ルリチョウ、リュウキュウツバメ、シロガシラ、スズメ、メジロチメドリ、タイワンオナガカンムリチメドリ、アオハウチワドリ、マミハウチワドリ、トビ、ヤブドリ。

カワビタキにガンを飛ばされたり、ヤギに攻撃されたりしながら、それでもミミジロチメドリに励まされて、昔、日本軍が原住民を駆り立てて開いた道を進んだ。日本の林道と比較しても道が相当荒れてきて、とうとうがけ崩れに行き当たった。進むにしても足場が悪そうだし、ちょうど昼前だったので、腰を下ろしてパンを噛っていると、驚いたことに、時々キラキラと光をはね返して、対岸からこの道をゴトゴトと辿ってくる四輪駆動のパトカーがある。荒れた一本道で、僕がいるところが言わば車止めだから、僕が目的としか考えられない。確かに、来る途中に、山の人、平地の人、それぞれと挨拶したから、変なのがこの道の奥に入っていったことは警察官にもわかるのである。

風来坊がカメラを持ってうろついていると怪しまれるから、国内でも不本意ながら時々警官に追われることがあるが、今回は諸般の事情で入山許可証を持っていないので(確かに許可はされて、検問所でも住所氏名は記入したのだが、云わば保護者連れの入山であったため、紙の許可証は貰っていなかった)、さすがにちょっとまずいなあ、とは思うものの、特段やましいことはなく、逃げるわけにもいかないし、まぁ致し方ないと肚をくくって食事を続けた。それでも、撮影したものを取られると困るから、シロクロヒタキだのベニサンショウクイだのが入ったメモリカードはカメラから出して隠し、新しいカードに入れ替えて、待つこと15分。パトカーは本当にやって来た。びっくり。

まぁ結論から言うと、警察官は誠実温和な若者であり、ここまで来た目的は僕ではなくさらに山奥にあったのであり、僕の事情について理解してくれただけでなく、鳥の話までつきあってくれたのだが、その時はさすがにちょっと緊張した。僕へのチェックが終了した後、がけ崩れを越えていく彼の姿を見送って、今日はここまでにして引き返そう、と思う僕だった。




写真はもう少し手前のところで撮ったもの。[photo data : 03/2008, Wutai Township, Taiwan]
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